October 18, 2011

猿の惑星:創世記(R.ワイアット監督)

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ルパート・ワイアット監督の「猿の惑星:創世記」を見てきた。

ウィル(ジェームズ・フランコ)はアルツハイマーの特効薬を開発している。
動物実験で、あるチンパンジー(アンディ・サーキス)が、
驚異的な知能を持つようになった。
その雌チンパンジーの子どもを"シーザー"と名付けたウィルは
自宅で父(ジョン・リスゴー)、恋人のキャロライン(フリーダ・ピント)と
家族のように暮らす。

シーザーは次第に知能も感情も成長していく。
しかしある日、隣人とトラブルを起こし、
保護施設に入れられてしまう。
他のサルたちと一緒に暮らすようになって
飼育員からの虐待や、猿たちとの仲間同士の争いも経験する。

シーザーは、迎えに来ないウィルを恨むようになり
人間への絶望や敵対心を募らせていく。
そして、他の猿たちにも特効薬を与え
保護施設を脱走すると、人間に反旗を翻す・・・

よくできた脚本だ。
特に気に入ったのは、主人公の隣に住むパイロットが、
シーザーと対立するように描かれている部分。
パイロットであるが故に人類を破滅に向かわせてしまう・・・
このあたりをエンドロールでの予告編?と
その後のタイトルバックが暗示する。

おすすめの1本。

★★★★★

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October 09, 2011

モテキ(大根仁監督)

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映画「モテキ」を見てきた。

藤本幸世(森山未來)は31歳の独身で、
これといった取り柄があるわけでもない。
ところが転職したとたんにモテキが到来する。
ツィッターで知り合ったみゆき(長澤まさみ)とトントン拍子で親しくなり、
彼女の友人るみ子(麻生久美子)とも二人きりで会う仲に。
さらには、バーの若いあい(仲里依紗)とも一夜を過ごしてしまう。

大本命はみゆきなのだが、
彼女には妻子のある男性と同棲していたことを知ってしまい、
動揺する幸世は、彼を慕うるみ子と関係を持ってしまう・・・

長澤まさみの桁外れのスタイルの良さと愛くるしい笑顔に魅せられた。
でも、ボブの麻生久美子もかわいい。
真性Sともいえる上司のもと子(真木よう子)もいい味出している。
リリー・フランキーのエロおやじぶりも堂に入って、笑わせてくれた。

★★★★

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September 05, 2011

ウエスト・サイド物語(ロバート・ワイズ監督)

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ロバート・ワイズ監督の「ウエスト・サイド物語」を見てきた。
TOHOシネマズの「午前十時の映画祭」。
映画館で見るのは30年ぶり。
やはりミュージカルとしてステージで見るべき。
映画で2時間半はちょっと長く感じた。

とはいえ、冒頭から圧倒されっ放し。
マンハッタン島の俯瞰ショットに始まり、
次第にカメラが降下、NYのウエストサイドに降り立つ。
ほとんどセリフは無く、無味乾燥した街に
シャーク団とジェット団の指ぱっちんが響く・・・
かっこ良すぎる!

そして何よりも音楽であろう、この映画は。
“Tonight”、“America”、“Somewhere”と名曲ぞろい。
Tonightの五重唱もお見事。

VIVA レニー!

★★★★

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August 17, 2011

コクリコ坂から(宮崎吾朗監督)

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宮崎吾朗監督の「コクリコ坂から」を見てきた。

傑作とまでは言えないが、
味わいのある秀作。
このところ、心身ともに疲労し切っていたので、
とても癒されたし、涙腺も緩んた。

全編を通じて流れる武部聡志の音楽が
映像に合致して心地良かった。

★★★★☆

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August 15, 2011

ツリー・オブ・ライフ(テレンス・マリック監督)

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テレンス・マリック監督の
「ツリー・オブ・ライフ」を見てきた。
2011年カンヌ国際映画祭のパルムドール受賞作品。

これは理解しようとして出来る映画ではない。
息を飲むような壮大な映像と
全編に流れるクラシック音楽を“感じる”映画。

父親がクラシック好きという設定のため
マーラー交響曲第1番第1楽章冒頭部、
スメタナの「我が祖国〜モルダウ〜」、
ベルリオーズ「レクイエム」などが
次から次へと流れる。
驚くべき映像といい、このクラシック音楽といい、
キューブリックの「2001年宇宙の旅」を
思い起こさせてくれる。

少ない出演者の中でも、
主演のブラッド・ピットの妻を演じた
ジェシカ・チャステインが
母親としても一人の女としても魅力的だった。

巷での評価は真っ二つに分かれている。
家族の絆を描いた感動作、
そんなのを期待していたら大きく外れるに違いない。

ちなみに、わたしが見た映画館では
イビキをかいている人が数人、
途中で映画館を出た人が5人いた。

★★★★★

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June 02, 2011

太陽がいっぱい(ルネ・クレマン監督)

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ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」を見てきた。
TOHOシネマズの「午前十時の映画祭」。

これはアラン・ドロンのための映画。

繊細で時に大胆、ちょっとホモセクシャルな殺人者を

見事に演じ切っている。


だれもが知っている、
ニーノ・ロータの哀愁を帯びた音楽も印象的。

ただ音の質が悪くて聴きづらかった。
これはフィルムのせいなんだろうか・・・

来週はいよいよ、
クロード・ルルーシュ監督の「男と女」が上映される。

これは絶対に見逃せない。

★★★★☆

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May 25, 2011

METライブビューイング「カプリッチョ」

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ちょっと前に見てきた
METライブビューイングのレビュー。

R.シュトラウスの「カプリッチョ」。
劇中劇で、内容も音楽も比較的地味、
ドラマチックな場面には乏しいオペラ。
しかし、二重唱、四重唱、八重唱と
多様なアンサンブルには圧倒された。
特にルネ・フレミングの存在感はさすが。

途中、イタリアオペラ風の二重唱や、
コミカルなバレエの場面が。
プロンプターの登場も大サービス。
長いアリアのあと、静かに幕を閉じるのは
いつものR.シュトラウス。
貧のいい大人のオペラといった印象。

2時間50分弱、休憩無しは少々辛かった。
また高齢の観客が多く、
途中でトイレに行く人が少なくなかった。

今シーズンのライブビューイング、
残すところは、イル・トロヴァトーレとワルキューレ。
どちらも大好きな演目なので見逃せない。

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May 24, 2011

明日に向って撃て!(ジョージ・ロイ・ヒル監督)

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ジョージ・ロイ・ヒル監督の「明日に向って撃て!」を見てきた。
アメリカン・ニューシネマの傑作として名高い作品で、
高校時代以来、35年ぶりの映画館での鑑賞。

実在した銀行強盗、ブッチ・キャシディ(ポール・ニューマン)と
サンダンス・キッド(ロバート・レッドフォード)の物語。
二人は列車強盗を繰り返すうちに、
鉄道会社が雇った刺客にしつこく追跡される。
命からがら逃げ延びたが、
ブッチの発案で南米ボリビアへの逃亡を決めた。
エッタ(キャサリン・ロス)とともに・・・

西部劇なのだが、
新鮮な演出とバート・バカラックの軽快な音楽により
青春映画のような味わいのある作品に仕上がっている。
主演の二人の会話もユーモアに富んで楽しい。
まさにニューシネマの名にふさわしい。

ラストシーンのストップモーション、
分かってはいるが、
衝撃で終演後もしばらく席を立てなかった。

★★★★★

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May 12, 2011

トゥルー・グリット(コーエン兄弟監督)

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コーエン兄弟が監督した西部劇「トゥルー・グリット」を見た。
ジョン・ウェインのオスカー獲得作品
「勇気ある追跡」のリメーク版。

父を殺された14歳の少女(ヘイリー・スタインフェルド)が
二人の男を引き連れ敵討ちをする物語。
と言っても、そこはコーエン兄弟、
少女の回顧録として話を進めながら、
ラストに余韻の残る幕引きを準備している。

少女と一緒に敵を追う
ジェフ・ブリッジスとマット・デイモンはさすがの快演だった。
しかしそれ以上に、ヘイリーの存在感が際立っていた。

★★★★★

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May 11, 2011

ある日どこかで(J.シュワルツ監督)

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ヤノット・シュワルツ監督の
「ある日どこかで」を見てきた。

1980年に初上映されたSFラブストーリー?
明らかにB級の映画だが、
切ない場面が何度も登場し
気がついたらエンドロールが流れていた。

ヒロインのジェーン・シーモアは、
この役柄は彼女しかいないと言い切れるくらいのはまり役。
上品な美しさにうっとりした。
一方、クリストファー・リーヴはどうなんだろう、
適役かどうかは意見の分かれるところ。

ジョン・バリーの作曲したテーマ曲は情感があふれていた。
また、ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」から
第18変奏曲が効果的に使われていた。

心に残る映画がまた1本増えた。
TOHOシネマズ「午前10時の映画祭」での上映。

★★★★

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