December 18, 2005

赤い鳥逃げた・・・2005/劇団離風霊船

akaitori


劇団離風霊船(リブレセン)の名作「赤い鳥逃げた」が
再演されるというので、名古屋まで出掛けた。
御巣鷹山に墜落した日航123便の事故を取り上げている。

事故後CMを自粛していた日航が
10年たち、社運を賭けるCMの主役に、
事故からの奇跡の生還者、川上慶子さんを抜てきする。
しかし彼女は亡くなった両親と妹の影を引きずったまま、
その死を認めることができずにいるというストーリー。3回目。
“衝撃”ともいうべきラストの大仕掛けは
何度見ても体中に震えが来る。
テーマの割には、ずっとコメディタッチで飽きさせない。
入場料3,500円分は元を取ったと思えるのだが、
ちょっと待てよ、ここは冷静に振り返ってみよう。

そもそも設定が事故の10年後、
いくら今年が節目の年だからといって、
20年後では違和感がある。
狂言まわしで登場する逆噴射の片桐機長、
今の世代には誰のことかわからないのではないだろうか。
ほかにも強引な解釈が多々ある。
もうこれ以上、安易な再演を繰り返してほしくないというのが本音。

そして、いくら名作とはいえ、
この演目に頼らざるを得ないという劇団の事情が悲しい。
さらに次回作は「ゴジラ」。
これも劇団の代表作の再演。
新作を見せてほしいものだ。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

August 12, 2005

利賀フェスの思い出

「利賀フェスティバル」が6年ぶりに夏に開催されるという。
この国際的な演劇祭は、富山県利賀村で82年にスタート。
99年にいったん終了し、
その後は、若手育成の事業や春の芸術祭などが続けられた後、
今年から夏のフェスティバルを再開されることになった。

利賀フェスで思い出すのは、今から10年ほど前のこと。
磯崎新が設計した有名な野外劇場で、
鈴木忠志演出の芝居(タイトルは忘れた)が始まるのを待っていたところ、
すぐ目の前の空いている席に、お年寄り2人と、その取り巻き数人が座った。
よく見ると、竹下元首相と小渕・平成おじさん。
(まだ小渕さんは首相ではなかった)
今、思い返すとすごいツーショットだった。

で、なんで二人がこんな山奥の演劇祭にという疑問がわいた。
理由はよくわからなかったが、
演劇祭を主宰する鈴木忠志、竹下、小渕の3名に共通するのは早大卒。
鈴木の夢を実現するため、2人の政治家が支援していたのだろう、
一緒に行った友人とそんな話をしながら帰宅した覚えがある。

いろいろ思い出のある利賀フェス。
当時よりは高速道路網も整備され、短時間で行けるはず。
久しぶりに足を運んでみたくなった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 18, 2005

ミュージカル「ライオンキング」

lk


何度見ても素晴らしいプロダクションだ。
ライオンキングは、ミュージカルというジャンルだけでなく、
芝居、オペラ、パフォーマンスなど、あらゆる舞台芸術の中でも
トップクラスの完成度だと思っている。

演出のジュリー・テイモアを知ったのは、
1992年、第1回のサイトウキネンフェスティバルで上演された
ストラヴィンスキーのオペラ「エディプス王」。
小澤征爾が指揮・監督のオペラで演出を担当したのが
若かりしころのジュリー・テイモアであった。
その斬新なアイデアは、今でも語りぐさとなっている。

ライオンキングを初めて見たのは、
ロンドン、ウエストエンドのライセアム劇場。
オープニングの大合唱「サークル・オブ・ライフ」と
出てくるゾウやキリンなど動物たちの造形美に、まずは圧倒された。
あとはエンディングまで、場が変わるたびに、
驚きと感動の連続だった。

劇団四季のヴァージョンは今回で3回目。
キャストには不満だらけなのだが、
ジュリー・テイモアのプロダクションを見るために、
また足を運んでしまった。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

October 03, 2004

金久美子の訃報

イチローの偉業達成の記事で埋め尽くされた10月2日の夕刊、
訃報欄に、金久美子(キム・クミジャ)が胃ガンで死去の記事を見つけた。

私が学生のころから
劇団「黒色テント」と「新宿梁山泊」、いわゆるアングラ劇団で活躍。
特に梁山泊での「映像都市(チネチッタ)」「人魚伝説」が印象に残る。
ほかの劇団員には申し訳ないが、アングラ劇の中で、ひときわ輝いて見え、
「掃きだめにツル」といった品の良さを感じた。
近年は映画やテレビドラマにも出演、
バイプレーヤーとして貴重な存在であった。

45歳、私と同い年である。
あまりにも早い死に、ただただ、ご冥福を祈るばかりだ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

August 31, 2004

“O”Cirque du Soleil(Sun,Aug 22)

ラスヴェガスに着いた夜に早速見たのが、
シルク・ド・ソレイユによるショー“”。(「ゼロ」ではなくアルファベットの「オー」)
数あるラスヴェガスの有料ショーの中で一番人気、
チケットが正規でも150ドルするというのに、入手は大変困難となっている。
私もぜひ見たくて、代理店を探し回った。
+50ドルでも、なかなか見つからない。
そうしたら公演の2週間前、公式サイトにキャンセルが4枚出たので
早速、クレジットカードでの購入の手続きをとった。
席は前から10列目の舞台に向かって左寄りで、とても見やすい席。
しかも正規料金、幸運であった。

さて、その“O”、
とにかくすべてが斬新で、驚くばかり。
舞台はシンプルで、真ん中にプールがあるだけ。
ところが、それが深くなって10メートル以上の上空から役者が飛び込んだり、
あるいは浅くなって、役者が上を走り回ったり、時には火が出たり、
何が起きるのか分からない、面白さがある。
役者の中には、五輪の飛び込みやシンクロナイズドスイミングの
メダリストもたくさんいるらしい。

セリフはほとんど出てこないので、
言語、人種、年齢などを超えてだれでも楽しめるエンターテイメントだ。
世界でも最高レヴェルのショーであることを断言しよう。

そうそう、ここ数年来日して話題を呼んだ「サルティンバンコ」「キダム」は、
このシルク・ド・ソレイユが演じている。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 31, 2004

ハラハラ、ドキドキ「箸消興業」のむら芝居

DSC00412.JPG

素人劇団を主宰している兵庫県の友人Iくんから、
わが家の近くの文化センターで公演するという案内をもらったので
午後から見に行ってきた。

劇団名は「箸消(はせしょう)興業
Iくんが脚本、演出、そして主演。
役者は男性ばかり6人。
何を隠そう、この劇団、地元の消防団が母体なのだ。
兵庫県加美町箸荷(はせがい)地区の消防団が、地区の協力を得て、
平成5年、むら芝居を復活させた。
以来、劇団員はそれぞれ仕事を持ち、消防団活動をしながら、
芝居も続けているという。

普段から上演するのは、人情時代劇。
この日は2幕物の「涙の再会、別れ旅」で、時間は約30分。
素人の集まりである。完成度を期待するのは酷というものだ。
ましてや私の苦手な時代劇。
まったく期待しないで行ったら、これがなかなか面白かった。
悲劇であるのに、会場からは何度も笑い声が。
せりふを忘れたり、効果音と演技のタイミングが合わなかったり、
見てる方が、ハラハラ、ドキドキした。

むら芝居は完成度ではないことが、見ていてよく分かった。
役者と会場が一体となって、泣いて、笑って、楽しめればいいのだ。
その点で、今日の芝居はどんな商業演劇よりも成功した。
それが証拠に、おひねりの数も半端ではなく、
舞台は足の踏み場もないくらいであった。

カーテンコールでは、会場から惜しみない拍手がおくられた。
そのときの彼らの満足そうな表情に、
こいつら、当分芝居はやめられないだろうなと思った。

| | Comments (4) | TrackBack (0)

July 03, 2004

蜷川「オイディプス王」アテネ公演

蜷川幸雄演出によるギリシャ悲劇「オイディプス王」のアテネ公演が
同市内の野外劇場で始まったというニュースが、
ネットや新聞などで大々的に報道されている。
もちろん五輪がらみのイベントである。

同じ芝居を2カ月前、オーチャードホールで見た。
開幕したばかりで、見どころであり聞かせどころでもある
20人のコロス(群唱隊)の出来が今ひとつであった。
ユニゾンで語る台詞の部分が、合っていなかったため、大変聞きづらかった。
その後、公演を重ねるごとに完成度を増し、
格段に聞きやすくなっていったようだ。

この芝居、主演が野村萬斎麻実れい
音楽と舞を担当したのが東儀秀樹というように、
スタッフ、キャストともになかなか豪華。
もちろんチケットは完売で、当日券もごくわずか販売されているだけであった。
会場内は9割が女性で、多くが萬斎ファンという雰囲気。
ときどき私より年上の同性を見つけると、何となくほっとしたものだ。

アテネでは、4000人収容の野外劇場で3日間の公演。
チケットの売れ行きは良いそうだ。
ユーロ2004でのギリシャの快進撃で、国民はテレビに釘付けのはず。
芝居を見ているような余裕があるとはどうしても思えないのだが、
それだけ蜷川の人気がすごいということだろうか。
そう信じたいものだ。


| | Comments (0) | TrackBack (0)