January 04, 2011

2010のベスト3【美術】

印象に残るのは瀬戸内国際芸術祭。
3日間掛けて5つの島を巡った。

そしてあいちトリエンナーレ。
行けなかった会場がいくつかあったのが残念だった。
せっかくパスポートを購入したのに。

そんな中で選んだベスト3は次のとおり。

1.スペクトラ・ナゴヤ(池田亮司)

「あいちトリエンナーレ」の一環として名古屋城で行われた。
池田亮司による光と音のインスタレーション。
この世の出来事とは思えない言葉にならない体験だった。

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2.直島銭湯「I♥湯」(大竹伸朗 / graf)

こんな楽しい銭湯があっていいのか。
アートを楽しんでお風呂に入って、極楽、極楽。

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3.「一週間」(山本高之)

「あいちトリエンナーレ」における山本高之のインスタレーション。
動物園の動物の前で子どもたちが、
それぞれの動物を主人公にした「一週間の歌」の替え歌を
歌わせるとともに踊らせるというもの。
子どもたちのテンションの低さが
笑いにつながるという不思議な体験。

あ、山本高之って、ものまねの人じゃありません。
それは山本高広。

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September 11, 2010

瀬戸内国際芸術祭2010 まとめ

8月下旬で35度を超える暑さは全く想定外だった。
あと1カ月後にすればよかったかなと
ちょっぴり後悔。
ただ、これから秋にかけて
芸術祭はさらに混雑することが予想される。
人出を考えたら、いい時期に行ったのかなとも思う。

これから訪れる方のために
3日間で感じたこと、気になったことを
いくつか挙げておこう。

◯スケジュールは事前に決めておく

移動手段、島から島は船、島の中はバスの場合が多い、
どちらも便数が少ないので、
事前にしっかりとしたスケジュールを立てておくこと。
乗り物に遅れはつきもの。
余裕をもっておくこと。

トラブルで時間がなくなった場合、
どの作品をあきらめるのかも
決めておくといい。

整理券が発行される作品、美術館がある。
これをどう攻略するかも考えておく。

◯旅行中も情報収集をまめに

携帯のサイトで最新情報を随時確認する。
特に混雑情報は参考になる。

◯荷物置き場を考える

荷物置き場を事前に確認しておく。
コインロッカーはどこにあるのか、
預かり所はあるのか。
8月末現在で豊島の家浦港周辺には
置き場が全くなかった。

◯ガイドブックはいらない

瀬戸芸に行こうとする人は
まずほとんどの人がガイドブックを入手するだろう。
でも結構重いので現地まで持っていく必要はない。
作品に関する情報は頭に入れておく。
現地で100円で売っている折りたたみのガイドマップを購入。
コンパクトでポケットに入れて持ち運べる。
地図、時刻表など島巡りをするのに必要な情報は
すべて掲載されている。

◯すれ違ったらあいさつをしよう

島の人や観光客とすれ違ったら
ぜひあいさつをしよう。

以上です。
では、よい旅を。

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瀬戸内国際芸術祭2010 3日目 その2

3日目の続き。

【直島・ベネッセハウス周辺】

杉本博司の鑑賞ツアーは別料金300円が必要だが
ていねいな解説や裏話は鑑賞の参考になるし、
質疑応答もできる。
おすすめ。

次に訪れたのは地中美術館。
13時30分からの入場整理券を持っていたので
直前にインフォメーションセンターに到着。
安藤忠雄設計のコンクリートの建物に
クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレルの
3人の作品だけを展示している。

モネの睡蓮の部屋は、
5枚の絵画と真っ白な空間の調和が心地良い。
しかし感銘度ではパリ・オランジュリー美術館にはかなわなかった。

タレルの「オープン・フィールド」は
異次元空間に足を踏み込んだような不思議な体験。
南寺の「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」と
ここを見るだけでも、
直島を訪れる価値があるというものだ。

次に訪れたのは、
6月にオープンしたばかりの李禹煥美術館は、
作品数は少ないが、印象に残るものが多く、
ゆっくりと時間を掛けて回りたい。
おすすめは「関係項-石の影」
石の影の部分に映像が投影される作品。
大きな部屋の間にあるので、
見逃がさないように。

駆け足でバス停に向かう階段で
取材クルーにつかまった。
放送局は韓国KBSで
直島の魅力をさぐる番組を制作しているとのこと。
15分ほどインタビューに答えた。

バス停近くにも小沢剛の「スラグブッダ88」があった。
ぼうっとしているとこれも見逃しそう。

次に訪れた「ベネッセハウスミュージアム」。
見どころがいっぱいで、
半日掛けたいところだが時間がない。
1時間で関心のある作品だけを見て回った。

ミュージアム周辺には屋外の作品が点在する。
これも小走りで回ってきた。
ミュ−ジアムから砂浜までは高低差があって
特に上りがしんどかった。
旅も3日目の午後、疲れが足腰に出てきた。

○ブラインド・ブルー・ランドスケープ(テレジータ・フェルナンデス)
○苔の観念(杉本博司)
○光の棺(杉本博司)
○地中美術館(クロード・モネ、ウォルター・デ・マリア、ジェームズ・タレル)
○李禹煥美術館(李禹煥)
○スラグブッダ88(小沢剛)
○ベネッセハウスミュージアム
○南瓜(草間彌生)
○タイム・エクスポーズド(杉本博司)
○見えて/見えず 知って/知れず(ウォルター・デ・マリア)
○シップヤード・ワークス 船尾と穴/ 切断された船首(大竹伸朗)

【直島・宮浦地区】

旅の最後に立ち寄ったのは宮浦港近くの銭湯。
大竹伸朗がデザインし
その名も直島銭湯「I♥湯」(アイ・ラブ・ユー)。
外観はもとより、中に入ってからも
どこをながめていても楽しい。
浴槽の底の絵がちょっぴりエッチだったりして、
ついじろじろ見てしまう。
手拭いなどグッズもトータルデザインされていて
お土産にも最適。

○直島銭湯「I♥湯」(大竹伸朗 / graf)

この宮浦港は多くの人でにぎわっていた。
いかにも島の表玄関という雰囲気。
昼食を抜いていたので、ターミナルでうどんを食べ
宇野港までの船が出る本村港にバスで向かう。

船を待つ間、ちょうど正面にあった
川俣正の人工島をながめていた。

○向島プロジェクト「島から島を作る」(川俣正)

乗船するとしだいに日が落ちてきた。
茜色に染まった空をぼうっとながめていると
いつの間にか宇野港だった。
岡山駅からは新幹線で帰路についた。

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草間彌生「南瓜」あまりにも有名

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鑑賞ツアーで見られる杉本博司の「苔の観念」

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同じく杉本博司の「光の棺」

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大きなソラマメのようでかわいいミュージアムの安田侃「天秘」

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砂浜に置かれた大竹伸朗「シップヤード・ワークス」の片割れ

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とにかく楽しい大竹伸朗の「I♥湯」


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September 10, 2010

瀬戸内国際芸術祭2010 3日目 その1

3日目は直島を回った。
高松港から直島へのアクセスは高速船で
家浦港行きと本村港行きがある。
南寺の整理券を早い時間に欲しかったので
そこまで歩いて行ける本村港行きを選んだ(30分)。

【直島・本村地区】
後で知ったのだが、
本村港はごく普通の港というか船着場。
チケット売り場があるわけでもなく
周辺にお店も見当たらず、
芸術祭の雰囲気は漂ってこない。
ともあれインフォメーションセンターに向かい
荷物を預かってもらった。

南寺には10時前に到着し
10時15分の整理券を入手。
ほとんど待ち時間無しで見ることができた。

南寺は建物を安藤忠雄が設計、
見られるのはジェームス・タレルの作品
「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」。
光が全くない世界に誘導され、、
そこで見つけたかすかな光に救済される。
簡単に言うとそんな体験ができるインスタレーション。
直島を訪れたら、
絶対に見ておくべき作品のひとつ。

その後回った家プロジェクトの
大竹伸朗「はいしゃ」、杉本博司「護王神社」、
宮島達男「角屋」はどれも見ごたえ十分。
質の高い作品が徒歩数分の圏内で見られるのは
とても効率がいい。
ただ、内藤礼の「きんざ/このことを」は閉鎖されていた。
ちょっと残念だった。

○南寺/バックサイド・オブ・ザ・ムーン(ジェームス・タレル)
○はいしゃ(大竹伸朗 / graf)
○石橋/空の庭/ザ・フォールズ(千住博)
○碁会所(須田悦弘)
○護王神社(杉本博司)
○角屋/Sea of Time’98(宮島達男)

ひととおり見終わったら、
12時にスタートする杉本博司の鑑賞ツアーに参加するため、
集合場所のベネッセハウスショップに向かった。

つづく

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芸術祭とは関係ないが香川銀行のシャッター イラストは高畠純さん

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大竹伸朗「はいしゃ」 室内は驚かされることばかり

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杉本博司「護王神社」 この神社が50年後、100年後
どのように評価されるのかと考えると楽しい

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September 09, 2010

瀬戸内国際芸術祭2010 2日目

2日目は男木島と女木島を回った。
高松港から女木島は目の前。
フェリーを使って、先に遠い男木島を訪れた(40分)。

【男木島】
この島は狭いエリアに多くの作品が点在しているので
2時間あれば回れる。
ただし、道が狭く高低差もあるので迷路のよう。
地図を見ながら効率良く回らないと
見落としたり、迷子になったりする。

ここでの私のお気に入りは「音の風景」。
竹を材料にしたオブジェが
民家と家畜小屋に、所狭しと吊り下げられ、
涼しげな音色を奏でていた。

川島猛とドリームフレンズの「想い出玉」が面白かった。
新聞、雑誌や手紙、日記などの紙を丸めたもので、
中に情報や時の流れ、思い出がいっぱい詰まっている。
壁を白い和紙で覆った民家の部屋に、、
手で握れるものから、
直径50、60センチはあろうかという大きなものまで、
さまざまな大きさの玉がころがっている。
来訪者が自由にメッセージを書き込めるコーナーもあり
それもまた想い出玉になっていく。

北山善夫の「男木島伝説」、
インパクトは一番だったが、
口ではうまく表現できない。
生理的に好きになれなかった。

○男木島の魂(ジャウメ・プレンサ)
○大岩島(大岩オスカール)
○カラクリン(井村隆)
○音の風景(松本秋則)
○海と空と石垣の街(中西中井)
○Sea Vine(高橋治希)
○想い出玉が集まる家(川島猛とドリームフレンズ)
○オルガン(谷口智子)
○誕生─性─生─死─家─男木島伝説(北山善夫)
○漆の家プロジェクト(漆の家プロジェクト)
○オンバ・ファクトリー(オンバ・ファクトリー)
○雨の路地(谷山恭子)
○島こころ椅子プロジェクト(島こころ椅子プロジェクトグループ5)
○路地壁画プロジェクトwallalley(眞壁陸二)
○ウォールワーク5 ?カモ島からカモ神社へ?(J.ダーリング&L.フォーウッド)
○うちわの骨の家(西堀隆史)

【女木島】
男木島から女木島まではフェリー(20分)。
港に到着したらすぐに鬼ヶ島大洞窟行きのバスに乗る。
10分ほどで頂上に到着。
ここからさらに徒歩で洞窟へ。
中にあるのがサンジャ・サソの作品。
外に出てロルフ・ユリアスの「緑の音楽」を見たら
またバスで港周辺へ。

廃校を利用した福武ハウスは、
杉本博司、森村泰昌など著名な作家の作品がそろい、
映像も多いので、時間を掛けて回りたい。
ここだけで2時間ほしいところ。

「不在の存在」は仕掛けがあるので見逃さないこと。
分からなければスタッフに聞くといい。
併設のレストランはなかなか雰囲気のいいお店。
時間があればここで食事をとりたかった。

○鬼合戦、あるいは裸の桃の勝利(サンジャ・サソ)
○緑の音楽(ロルフ・ユリアス)
○福武ハウス2010
○不在の存在(レアンドロ・エルリッヒ)
○均衡(行武治美)
○愛知芸大・瀬戸内アートプロジェクト(同大学アートプロジェクトチーム)
○カモメの駐車場(木村崇人)
○20世紀的回想(禿鷹墳上)

【高松】
女木島から高松まではフェリー(20分)。
ホテルで温泉に入ってから高松2日目の夜。

まずはホテル向かいのラーメン店でラーメンとぎょうざ。
2軒目は、その近くの
LPレコード販売をしながらお酒が飲めるお店(店名を忘れてしまった)へ。
そしてもう1軒、古本店「な夕書」へ。

ここは、事前に電話で予約しないと開けてもらえない。
8時半に行く約束をして
時間どおりお店の前に足を運んだ。
しばらくして自転車に乗って現れたのが店長。
お店は築50年以上の古い2階建で、
古本が本棚、机の上、床など
いたるところに置かれていて
足の踏み場もないくらい。
面白い雑誌があったけれど、
荷物になるので見るだけにした。
価格はほとんどが時価、
いくらだったら欲しい?と聞いて
その値段で売るのだそうだ。

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男木島の玄関口その名も「男木島の魂」

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鏡を巧みに使った大岩オスカールの「大岩島」

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音が涼しげな松本秋則の「音の風景」

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高橋治希の「Sea Vine」枝葉はすべて陶器

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小さなおうちがかわいい中西中井の「海と空と石垣の街」

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川島猛とドリームフレンズの「想い出玉」

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「漆の家」から見た瀬戸内の海

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オリーブの根を積み上げた「ウォールワーク5 –カモ島からカモ神社へ 」

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時間を掛けて回りたい「福武ハウス」

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砂浜で存在感を示す禿鷹墳上の「20世紀的回想」


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September 07, 2010

瀬戸内国際芸術祭2010 1日目

夏休みを利用して、瀬戸内国際芸術祭2010に行ってきた。
2泊3日の旅。
もう1泊すればすべての島を回ることができたが
体力的にはこれが精一杯だったと思う。

【犬島】
犬島へは、JR岡山駅から臨時バス(40分)で宝伝港へ
そこから高速船(10分)を使う。

犬島は2時間あれば概ね見学できる。
最初に訪れたのは精錬所。
アーティスト柳幸典による明かりのトンネルの美しさと
工場跡そのものの持っている迫力に圧倒された。

「家プロジェクト」はアートディレクター長谷川祐子と
建築家妹島和世が3つの家1つの東屋を建設し
柳幸典氏の作品を展示している。
「眼のある花畑」は訴えるものがあった。

○犬島アートプロジェクト「精錬所」(三分一博志、柳幸典)
○「家プロジェクト」F邸、S邸、I邸、中の谷東屋(妹島和世、長谷川祐子、柳幸典)

【豊島(てしま)】
豊島へは高速船(25分)。
半日では3分の2程度しか見られない。
すべて回ろうとすれば1日掛かる。
島をぐるりと回るバスを使って移動するのだが
40分おきに出ているので、これをうまく利用するといい。
レンタサイクルもあるが、起伏が激しくて
体力に自信のある人以外はおすすめできない。

この島は荷物の預かり所やコインロッカーが無いので注意。
軽装で行くしかないが、
私は港近くの喫茶店で
おばちゃんに無理を言って置かせてもらった。

この島の作品は多彩。
ひととおり回ればお気に入りが
ひとつやふたつは見つかる。
私のおすすめは「トムナフーリ」と「ストーム・ハウス」。

そして、空き家に
藤島八十郎という架空の人物が暮らしているという
「「こんにちは藤島八十郎」は、
コンセプトが面白かったのと、
細部までこだわりが感じられて
とても楽しかった。
蔵を使ったタワーからの絶景も必見。

◯トムナフーリ(森万里子)
○空の粒子(青木野枝)
○島キッチン(安部良)
○こんにちは藤島八十郎(藤浩志)
○ストーム・ハウス(J.カーディフ&G.ビュレス・ミラー)
○ビューティー(オラファー・エリアソン)
○ハーモニカ(スー・ペドレー)
○残り物には福がある。 (C.ヒーリー&S.コーデイロ)
○遠い記憶(塩田千春)

【高松】
豊島から高松は高速船(35分)。
日曜だったからか満席で臨時便が出ていた。

宿泊は市内田町のビジネスホテル。
天然温泉があり、ゆっくり体を休めたあと、
ホテル近くの串揚げ「回」へ。
飛び込みだったが、これが当たりで
何を食べてもおいしかった。
静かにJAZZが流れる品のいい店だった。

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岡山駅からのバスは何と水戸岡鋭治デザイン

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海から見た犬島・精錬所の煙突が印象的

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次に訪れるときまでこの煙突は残っているのだろうか

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案内板は鉄板 いい感じに錆び付いている

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森万里子「トムナフーリ」 この世のものとは思えない存在感

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青木野枝「空の粒子」

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藤浩志「こんにちは藤島八十郎」敷地内の見取り図

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「こんにちは・・・」の塔からの眺め

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スー・ペドレー「ハーモニカ」

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この日最後に見た塩田千春「遠い記憶」

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March 21, 2010

一箱古本市 in 円頓寺商店街

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連休の初日(20日)に
円頓寺商店街の「一箱古本市」へ行ってきた。

午前中に行こうと思っていたが、
葬儀に参列することになり、
会場着は2時過ぎ。

ちなみに亡くなったのは、
母方の祖父の妹に当たる人で103歳。
祖父も3年前に105歳で天寿をまっとう、
祖父は5人兄弟で100歳を超えたのは3人、
長寿の家系とはいえ、すごくない?

と、これは余談。

円頓寺の「一箱古本市」は昨年に続いて2回目。
小規模ながらも個性的な出店が多い。
収穫は文庫本、単行本、雑誌など5冊と
手作りのブックカバー。
合わせても700円弱で、
2時間余り、買い物だけでなく
店主との会話も楽しませてもらった。

古本市では屋号も趣向が凝らされ
ユニークなものが少なくない。

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さて、円頓寺商店街はひなびたアーケードで
お店をじっくり見ていくのも興味深い。
ということで写真で紹介。

何だろう、アーケードの上にあったハリボテ
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老舗の喫茶店
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珍しくおしゃれな洋雑誌の販売店
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カラフルな寿司屋
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March 14, 2010

一箱古本市 in 武家屋敷

愛知県犬山市で開催されている
「一箱古本市 in 武家屋敷」を見てきた。

一箱古本市とは、フリマ風の古本市。
みかん箱1箱(今回は3箱)の書籍を
売ることができる。
少ない書籍のなかでどれだけ個性を発揮するかがポイント。

会場は、堀部邸という古民家。
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狭くて見づらかったのが第一印象。
それと出品者が30人って聞いてたけど、もっと少なかったような。
やはり100人くらいいないと
これは、という出品者に出会えない。
この古本市が楽しいのは、出品者と語り合うことだから。

少々失望したので古本市の写真は撮らずじまいだった。

帰る途中、ヘンな看板を見つけた。
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「ダゴバギャラリー キワマリソウ」
看板につられて足を向けると、さらに看板。
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やっと到着したらしい、標柱を発見。
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古い住宅に入ってみると「五っ葉文庫」という古本屋が。
これってたしか、今回の一箱古本市を企画した古本店?
並んでいる書籍を見ると、怪しげなものが多く
楽しませてもらった。
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さて併設のギャラリ−、
若手作家が、部屋ごとに展示していたが、
クオリティが低くて評価するまでもない。
特に、お札を使った作品、
だめだよ、お札をあんなふうに扱っちゃ。

キワマリ荘の外観、これは味がある。
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December 05, 2009

日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964

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愛知県美術館で
「日本の自画像 写真が描く戦後 」を見てきた。
戦後日本を代表する11人の写真家の作品を
168点展示しており、
いずれもモノクロ写真。

戦後の20年間は、日本が敗戦から立ち直り、
高度成長への道を歩み始めた時期で、
1枚1枚の写真から、日本の、日本人の力強さを感じた。
印象に残ったのは、田沼武能「真知子巻きでおつかい」=写真・下、
土門拳「弁当を持ってこない子ども(筑豊のこどもたち)」。
特に後者には胸が締め付けられた。

会期は12月13日(日)まで。必見。

Matikomaki

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November 12, 2009

筧忠治展〜自画像を描き続けて80年〜

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愛知県一宮市の三岸節子記念美術館で開かれている
「筧忠治展」を見てきた。

9年前、同市内の博物館で出会って以来、
ずっと気になっている画家。
地元以外ではほとんど知られていないが、
力強い描写は個性的で、
一度見たら忘れられない。

今回は、サブタイトルにあるとおり、
自分自身を不動明王になぞらえた自画像を中心に、
何年も掛けて絵の具を塗り重ねた大作「虫眼鏡を持てる老母」、
繊細なエッチングの猫や風景画などが展示されている。
量的には少々物足りないが、
1枚1枚からは執念のようなものが
ずっしりと伝わってくる。
11月15日まで。

常設展も見てきた。
「三岸節子 室内画の誘惑 −美の小宇宙を描いて−」
室内の花器、壺、小物などを描いた作品が紹介されていた。
入り口で目を引いたのは、
20歳のときの節子の自画像。
デビュー作だと言う。

おかっぱの髪型といい、
鮮やかな赤い着物といい、
あどけなさが残る中にも、
その眼差しからは強い意志を感じ、
絵の前でしばしたたずんでしまった。

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