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September 25, 2011

謙信の軍配者/富樫倫太郎

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富樫倫太郎の「謙信の軍配者」を読んだ。
「早雲」「信玄」に続く三部作の三冊目。

一作目は小太郎、二作目は勘助が主人公、
そして本作は冬之介が主人公のはずだったが、
軍配者としての活躍はほとんどない。
謙信がいかにスケールが大きく神がかっているかに
重きが置かれていた。
まあそれはそれで面白かったんだけど。

ラストは前作同様、ジーンとくる幕切れ。

★★★★

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September 24, 2011

新日本フィル 音楽夜会“指環伝説”

アルミンク指揮新日本フィルのサントリー定期を聴いてきた。
久しぶりのサントリーホール、客の入りは8割くらいか。

前半はベートーヴェン交響曲第1番。
ティンパニーが小さめだったけど古楽器?
テンポは思ったほど速くなく、オーソドックスな演奏。
木管の音色が気持ちよくて、
もう少しで眠りに入るところだった。

メインのワーグナーは、
上演するのに4日間かかる楽劇「ニーベルングの指環」を
1時間の管弦楽に編曲したという珍しい曲。
歌が無いのでさみしいが、
集約されたワーグナーラサウンドは聴き応え十分。

指環を聴きなれていない人でも楽しめるが、
聴き込んでライトモチーフが理解できる人なら
もっと楽しめるだろう。
同伴した長女と妻は前者。
でも事前にこの編曲版を聴きながら
指環のどの場面かをレクチャーしておいたので
ストーリー性も理解でき、
迫力あるオーケストラサウンドを十分に堪能したようだ。

最初のホルンのキズに引きずられて
ホルン全体のアンサンブルが乱れたのは残念だったが、
全体としてはバランスの取れた見事な演奏だったといえる。

●新日本フィルハーモニー交響楽団 #483 定期演奏会
 音楽夜会“指環伝説”。
 ワーグナー・サウンドが誘う、闇のファンタジー
 '11.9.15 サントリーホール 2階Cブロック4-17

指揮:クリスティアン・アルミンク

ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調
(休憩)
ワーグナー作曲(ヘンク・デ・フリーヘル編)/
『ニーベルングの指環』~オーケストラル・アドヴェンチャー

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September 05, 2011

ウエスト・サイド物語(ロバート・ワイズ監督)

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ロバート・ワイズ監督の「ウエスト・サイド物語」を見てきた。
TOHOシネマズの「午前十時の映画祭」。
映画館で見るのは30年ぶり。
やはりミュージカルとしてステージで見るべき。
映画で2時間半はちょっと長く感じた。

とはいえ、冒頭から圧倒されっ放し。
マンハッタン島の俯瞰ショットに始まり、
次第にカメラが降下、NYのウエストサイドに降り立つ。
ほとんどセリフは無く、無味乾燥した街に
シャーク団とジェット団の指ぱっちんが響く・・・
かっこ良すぎる!

そして何よりも音楽であろう、この映画は。
“Tonight”、“America”、“Somewhere”と名曲ぞろい。
Tonightの五重唱もお見事。

VIVA レニー!

★★★★

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September 03, 2011

悪の教典/貴志祐介

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貴志祐介の「悪の教典」を読んだ。
このミステリーがすごい2011年第1位、週刊文春ミステリーベスト1、
第1回山田風太郎賞受賞など、評判の高い作品。
上下巻合わせて850ページという超大作だが、
最後のページまで一気に読み切った。

女子生徒に絶大な人気の英語教師、ハスミンこと蓮実先生。
しかし彼は人格障がい者、
学校を舞台にとてつもない犯罪をおこす・・・

ネタばれになるのでこれ以上書けない。
下巻に入ってからは、
坂道を転がり落ちていくように
猛スピードで話が展開する。
読み応えは十分だが、
面白いとかエンターテイメントだとかの表現では憚られる内容。
好きなタイプの作品ではない。

この本って学校図書館に置いてあるんだろうか。
健全な少年少女には読んでほしくないな。

★★★★

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September 01, 2011

ディエゴ・マテウス指揮サイトウ・キネン・オーケストラ

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初回から18年間続けて足を運んでいたサイトウキネンフェスだが、
ここ2年は諸事情によりお休みをしていた。
しかし今年はベネズエラ出身の27歳の指揮者、
ディエゴ・マテウスの日本デビューにどうしても立ち会いたくて、
初日のチケットを購入した。

前から2列目という、指揮者の横顔がよくわかる願ってもない席。
まず1曲目はチャイコフスキーの「ロメジュリ」。
両家の諍いを表す第一主題での金管や打楽器の迫力に、
早くも心臓がばくばくしてきた。

次はピーター・ゼルキンとの共演で、
バルトークのピアノコンチェルト3番。

このピアニストは見た目、とても神経質そう、
おびえるような表情で演奏する。
しかし演奏が始まるやいなや、
そのリリカルで透明感のある音色に魅了された。
特に第二楽章の美しさには酔わされた。

休憩後のチャイコフスキー交響曲4番。
管楽器のパートは、斎藤秀雄先生と直接関係のなさそうな外国人が目立つ。
多くが小澤人脈で集められた腕利きなのだろう。
ここぞというときのパワーは、
今までに聴いてきたチャイ4の中でもダントツ。

ピチカートの3楽章から、
間髪入れずに4楽章が始まると
クライマックスまで怒濤のようにぐいぐいと
このスーパーオケを引っ張っていった。
恐るべし27歳!
多少荒い部分も目についたが、
オーケストラの醍醐味を十二分に味わえた2時間だった。

松本まで行ってよかった。
こんなにわくわくする指揮者はチョン・ミョンフン以来かな。

●サイトウ・キネン・フェスティバル松本
 ~オーケストラ・コンサート~
 '11.8.26 長野県松本文化会館大ホール 1階3列36番  

演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:ディエゴ・マテウス
ピアノ:ピーター・ゼルキン

チャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」
バルトーク:ピアノ協奏曲第3番ホ長調
(休憩)
チャイコフスキー:交響曲第4番へ長調 作品36

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