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February 15, 2011

鉄道員(ピエトロ・ジェルミ監督)

ピエトロ・ジェルミ監督の「鉄道員」を見た。

鉄道機関士のアンドレア(ピエトロ・ジェルミ)は
その厳格で一徹な性格から
長女ジュリア(シルヴァ・コシナ)、
長男マルチェロ(リナート・スペツィアーリ)からは敬遠されていた、
一方、次男のまだ幼いサンドロ(エドアルド・ネボラ)は
酒場まで一緒に行くほどなついていた。

ある日、アンドレアの運転する列車が
投身自殺の若者を轢いてしまった。
それをきっかけに、酒に溺れていき、
ストライキ破りをしたことで友人たちからも孤立する。

さらに、ジュリアの不倫や
マルチェロのギャンブル狂いで、家庭は崩壊状態に。
傷心のアンドレアは、
家にも帰らないようになる・・・

モノクロ映画で、
サンドロ少年の目を通して
家族の出来事がつづられていく。
親子や夫婦の愛、人々の温かい人間愛を描き、
切なくも希望が持てるラスト。
全編に流れる、哀愁のあるテーマ曲も涙を誘う。

ジュリアを演じたシルヴァ・コシナが美しい。
ただ、その後のプロフィールを見ると
作品には恵まれず1994年に亡くなっている。

「午前十時の映画祭」は1950〜70年代の外国映画の傑作を
毎週1本ずつ上映するという企画。
この「鉄道員」が1週目で、
以降「天井桟敷の人々」「クレイマー、クレイマー」と続く。
見応えのある作品ばかりで、できることならすべて見てみたい。
特に見逃せないのは
「フォロー・ミー」「大脱走」「眺めのいい部屋」かな。

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