蛻/犬飼六岐
犬飼六岐の「蛻(もぬけ)」を読んだ。
第144回直木賞候補作品。
尾張藩の徳川宗春が、
町人の生活の様子を見てみたいというので
屋敷の庭園の中に架空の宿場町「御町屋」をつくらせた。
この町で普通の生活を送るために
集められた70人余りの町人は
皆、一癖二癖あるものばかり。
それでも、商売に精を出す必要はなく、
気楽に毎日を過ごせばそれでよかった。
ところがある日、殺人事件が起きる。
外界とは閉め切られた状態のはずなのにどうやって?
果たしてだれが真犯人なのか、
町人たちの間で、不信感が渦巻く・・・
ミステリータッチの時代小説。
群衆劇とでも言うのか、
登場人物が多かったので、
メモを取りながら読んだ。
いわば町屋のテーマパークで起きた殺人事件。
設定は面白いのだが、謎解きはどうも中途半端。
ラストも今ひとつ盛り上がらずに終わってしまった。
★★★
The comments to this entry are closed.
Comments
我々は慎重なままでなければならない場所に住んでいます
Posted by: pengumuman | October 05, 2016 11:48 PM