ツリーハウス/角田光代
角田光代の「ツリーハウス」を読んだ。
新宿で中華料理店を営む藤代家の物語。
良嗣が一緒に暮らしているのは、
祖父と祖母、父と母、
そして何もしていない叔父。
さらには姉が妊娠して出戻ってきた。
兄は数年前から旅に出て居場所が分からない。
ある日、祖父が亡くなった。
喪が明けてから良嗣は
「帰りたい」とつぶやいた祖母を連れて、
旧満州を巡ることにした。
ここは祖母と祖父が出会った土地。
藤代家のルーツを探る旅でもあった・・・
現在と、祖父母が出会ったころの過去が交互に描かれ、
読むに従い、家族のことが明らかになってくる。
東京タワーの完成、新幹線の開通、
オリンピックの開催などのエピソードが巧みに盛り込まれ、
歴史を追体験しながら、興味深く読むことができた。
ただ、この家族の逃げてばかりの生き方は、
それ自体が悪いとは思わないけど違和感を覚えた。
わたしとはちょっと違うなと。
★★★★
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