信玄の軍配者/富樫倫太郎
富樫倫太郎の「信玄の軍配者」を読んだ。
軍配者シリーズの第二弾。
今回は四郎左(後の山本勘助)の物語。
幼いころ、親兄弟と死別し天涯孤独な身。
足利学校と京都の建仁寺で軍配者としての知識を身に付け、
戦 場で学友たちと再会する日を夢みている。
しかし現実は、今川家の領内・駿府で軟禁状態に置かれ
無為に四十代を迎えてしまった。
ある日、甲斐を追われた武田信虎から
憎き嫡男・晴信(後の信玄)の暗殺計画を持ちかけられる。
これには乗らず、命からがら小田原の小太郎の元を訪ねた。
さらに足利学校を再訪し、決意を新たに甲斐へと向かった・・・
山本勘助が武田晴信の軍配者となり、
数々の戦果を残していくまでの経緯を描いている。
武田家の晴信や家臣たち、雪姫など
取り巻きが生き生きとして、そのエピソードが興味深い。
何度も登場する合戦の場面も迫力があり、
3人の軍配者の友情をうまくからめて
見事なエンターテイメントとなっている。
次巻の「謙信の軍配者」は、
足利学校のもう1人の仲間・曾我冬之助の物語。
どのような結末が待っているのか、今から楽しみ。
夏に刊行予定。
★★★★★
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