後悔と真実の色/貫井徳郎
貫井徳郎の「後悔と真実の色」を読んだ。
第23回山本周五郎賞受賞作。
大崎巡査が女性の死体を発見した。
被害者の指は切断されていた。
犯人は「指蒐集家」と呼ばれ、
ネット上では英雄視されるようになる。
警視庁捜査一課の西條は
「名探偵」と呼ばれるほど腕利きの刑事。
大崎とコンビを組み、この事件を追うことになった。
地道な聞き込み捜査を続けるうちに、
政治家から圧力がかかってきた。
さらには西條が私的なことで窮地に追い込まれる・・・
群衆小説とでも呼ぶのだろうか、
個性的な警察官が次々に登場、
頭が混乱しないよう相関図を書きながら読んだ。
それぞれの警察官に物語があり、
人間ドラマとしても楽しめる。
次第に追い込まれていくのが犯人ではなく
警察官だというのがミソか。
意外な真犯人には驚いた。
ミステリーとしても一級品。
しかし、どうしてこんなタイトルを付けたのか。
これでは書店で平積みにされていても
だれも手に取りたいとは思わないだろうな。
タイトルとしては今年ワースト。
★★★★
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