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December 26, 2010

神様のカルテ2/夏川草介

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夏川草介の「神様のカルテ2」を読んだ。
本屋大賞の第二位となった前作の続編。

東京から本庄病院に赴任してきた医師、進藤辰也、
栗原先生とは学生時代からの友人。
かつては「医学部の良心」とも呼ばれた進藤だったが、
本庄病院での評判は良くなかった。

勤務時間が過ぎればすぐ帰宅し、
緊急時には連絡が取れない。
看護師らから噴出する不満に見かねた栗原が
進藤に助言するが、態度は変わらない。

進藤には秘密にしていることがあった。
栗原と三角関係のすえ結婚した後輩の千夏であったが、
小児科医として仕事に没頭するあまり、
一人娘の夏菜や栗原のことを省みなくなってしまった。
夏菜のためにと、逃げるように、
故郷へ戻ってきていたのだった。

そんなある日、病院を支えていた古狐先生が突然倒れる。
悪性リンパ腫。
懸命に治療する進藤、栗原であったが、
症状は悪化するばかり。
そこで、栗原の妻榛名が、
先生夫婦の願いをかなえるため、あることを思いつく・・・

長女の本を借りて読んだ。
すらすらと読めるライトノベルも、時にはいいものだ。
地方の医療の現状に警鐘を鳴らしながらも、
小説として、きちんと泣かせるところは泣かせ、
笑わせるところは笑わせる。
登場人物も魅力的に描かれていて
しかもみんないい人なので、
老若男女だれでも安心して読める一冊。

進藤先生と妻の千夏との関係が
まだ修復されていない。
たぶん続々編が用意されているんだろう。

このシリーズは櫻井翔と宮崎あおい主演で
映画化されるという。
映画まで見たいとは思わないな。

★★★☆

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