悪人(季相日監督)
季相日監督の「悪人」を見た。
吉田修一の同名長編小説を映画化。
九州北部の都市が舞台。
殺人事件を巡る加害者と被害者、
そして残された家族たちの揺れ動く日常を背景に、
殺人を犯してしまった祐一(妻夫木聡)と、
共に逃げる光代(深津絵里)の切ない逃避行を描く。
モントリオール映画祭で最優秀女優賞に輝いただけあって、
光代の深津絵里がすばらしくいい。
田舎の紳士服店の地味な店員、
淡々とした日常生活を続ける一方で、
何か変化や新しい刺激を求めるという、
二つの顔を持つオンナを見事に演じ切った。
個人的には、父親(柄本明)が事件現場で佳乃の幽霊と出会う場面、
祐一の祖母(樹木希林)が報道陣に囲まれる場面などは
必要ないと思うんだけど。
今年の日本映画の中でも有数の秀作ではあるが、
どちらかというと原作のほうが好き。
★★★★☆
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