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August 14, 2010

エデン/近藤史恵

近藤史恵の「エデン」を読んだ。
自転車ロードレースをミステリータッチで描いた
前作「サクリファイス」の続編。

フランスの自転車ロードレースチーム、
パート・ピカルディに移った白石誓(チカ)は、
チームの一員としてロードレースの最高峰である
ツール・ド・フランスへ出場することになった。
しかし直前に、スポンサー撤退による
チーム存続の危機を知らされる。
監督は、チーム内のフィンランド人エース、ミッコよりも、
別チームのフランス人の新星、ニコラを勝たせようとする。
ニコラが勝てばフランス国内でのツール・ド・フランスへの注目が高まり、
チームの存続にもつながるというのが監督の考え。
ところがチカはどうしても納得できない。
そんなチーム情勢の中でツールは始まった・・・

自転車レースの知識はほとんど無い私でも、
ツール・ド・フランスの世界へぐいぐい引き込まれていった。
実際にレースを見ているかのような高揚感。
チーム間での確執、ドーピング問題など、
スポーツの陰の部分についても触れられていて興味深い。

ロードレースは、ステージごとにいろいろな駆け引きがある。
個々の選手同士、チーム同士の戦い、
さらには自分自身の体力と精神力との戦い、
実に奥の深いスポーツだと感心した。

これって続編があるんだろうな、きっと。
いや絶対に書いてもらいたい、熱望。

★★★★★

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