螻蛄/黒川博行
黒川博行の「螻蛄(けら)」を読んだ。
建設コンサルタントの二宮は、
腐れ縁の暴力団員桑原から
2000万円の約束手形の取り立てに絡むシノギを手伝わされる。
手形は伝法宗の寺院の中でも格式の高い就教寺の住職のもので、
その原因となった伝法宗の重文級の絵巻物「懐海聖人絵伝」を
桑原は手に入れようとしていた。
ところが、2000万円のシノギは伝法宗の内輪揉めに加え、
東京の暴力団勢羽組も絡んできて、一筋縄ではいかなくなる。
事態に巻き込まれた二宮と桑原は東奔西走し、
絵巻物の大争奪戦が繰り広げられることとなった・・・
500ページを超える厚さなのに、
アクション映画を見ているようなわくわく感で
あっという間に読み終えた。
二宮と桑原の名コンビは時にコメディタッチ、
随分笑わせてもらった。
でも暴力シーンが多すぎて、
個人的には、直木賞候補になった「悪果」のほうが好き。
面白さは折り紙付き。
スカッとしたいときにおすすめ。
このコンビの作品はほかにもあるので、
そのうちに読んでみようと思う。
★★★★
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