« May 2010 | Main | July 2010 »

June 25, 2010

日本代表、決勝T進出

サッカーW杯をテレビ観戦する毎日。
そのせいか、体調も不良で
今日も病院に行こうと思う。

先ほど、1次リーグの最終戦で
日本代表はデンマークを3−1で降し
決勝トーナメント進出を決めた。
自国で開催した2002年に続いて2回目の快挙。

カメルーン、オランダとの試合は
善戦したとはいうものの、
まだまだ力の差を感じた。
ところがデンマーク戦は完勝に近い。
もちろんFWベントナーは迫力があったけれど
力を出せずじまい。
守備もばたばたして、
センターバックケアーの出場停止が
大きかったのだろう。

しかし本田のゴールは効いた。
あれでデンマークは2点取らなくてはいけなくなった。
運も味方したが、見事な試合だった。

さて決勝トーナメント。
パラグアイは強いけれども
勝てない相手ではない。
まだまだツキはある。

日本の勝ち負けにかかわらず、
W杯はこれからが楽しい。

それにしても
アルゼンチン、メキシコ、ドイツ、イングランドの潰し合いは
何とも惜しい。
一方で、ウルグアイ、韓国、アメリカ、ガーナから
必ずベスト4が出てしまう。
うーん、これもどうなんだろう・・・

ともあれまずは体調を整えよう。

| | Comments (2)

June 15, 2010

桐島、部活やめるってよ/朝井リョウ

9784087713350

朝井リョウの「桐島、部活やめるってよ」を読んだ。
第22回「小説すばる新人賞」受賞。

地方の公立高校を舞台にした高校2年生5人の物語。
別の部活に所属しており、それぞれの視点で話が進んでいく。

ある日バレー部のキャプテン桐島が部活を辞めたことで、
学校内に波紋が広がる。
以降は取りとめのないエピソードが断片的に登場し、
次第に人間関係があらわになってくるという仕掛け。
タイトルにもなった桐島本人は最後まで登場しない。
部活をなぜやめたのかも明らかにされないし、
そもそも桐島の名前さえ分からない。

高校生の置かれた環境は
30年前のわれわれの時代とはまったく違うんだろうけど、
頭の中って、男子も女子もそれほど変わりない。
部活、容姿、服装、センス、そういったものが
評価の指標だった。
部活の人気は圧倒的に、文化系<運動系。
服装は、学生服と決められた中でのおしゃれに
ものすごく気をつかっていた。
読み終えて、そんなことを思い出した。

作品では、微妙に岐阜弁を使っているところが
ちょっと読みづらかったかな。
われわれは親しみを感じるんだけど。

著者は大垣北高校から早稲田へ、現在在学中。
このところ岐阜県出身の若手作家の活躍が目立つ。
堀江敏幸、奥田英朗、冲方丁、池井戸潤、中村航、そして朝井リョウと
純文学からエンターテイメント系まで粒ぞろいだ。

★★★☆

| | Comments (6)

June 06, 2010

螻蛄/黒川博行

317401

黒川博行の「螻蛄(けら)」を読んだ。

建設コンサルタントの二宮は、
腐れ縁の暴力団員桑原から
2000万円の約束手形の取り立てに絡むシノギを手伝わされる。
手形は伝法宗の寺院の中でも格式の高い就教寺の住職のもので、
その原因となった伝法宗の重文級の絵巻物「懐海聖人絵伝」を
桑原は手に入れようとしていた。

ところが、2000万円のシノギは伝法宗の内輪揉めに加え、
東京の暴力団勢羽組も絡んできて、一筋縄ではいかなくなる。
事態に巻き込まれた二宮と桑原は東奔西走し、
絵巻物の大争奪戦が繰り広げられることとなった・・・

500ページを超える厚さなのに、
アクション映画を見ているようなわくわく感で
あっという間に読み終えた。
二宮と桑原の名コンビは時にコメディタッチ、
随分笑わせてもらった。
でも暴力シーンが多すぎて、
個人的には、直木賞候補になった「悪果」のほうが好き。

面白さは折り紙付き。
スカッとしたいときにおすすめ。
このコンビの作品はほかにもあるので、
そのうちに読んでみようと思う。

★★★★

| | Comments (0)

June 04, 2010

あるキング/伊坂幸太郎

19862779


伊坂幸太郎の「あるキング」を読んだ。

仙醍市の弱小プロ野球チーム「仙醍キングス」の
熱狂的ファンである山田亮、桐子夫婦。
やがて生まれた男の子に付けた名前は、
キングスの王を意味する「王求(おうく)」。
幼いころから彼の才能は花開き、
打席に立つと、ホームランを打つか、敬遠されるかのどちらか。
打率は9割を超えるという天才野球少年だった。
やがて成長した王求は、希望どおり仙醍キングスへ入団する・・・

パロディがちりばめられている。
架空の都市・仙醍(せんだい)市の弱小球団「仙醍キングス」って
楽天イーグルスそのまんまだし、
3人の魔女が登場し、王求がいずれキングになると予言をするのは
シェイクスピアのマクベスを連想させる。

全体としての印象は、非現実的なメルヒェンのような物語。
今までの伊坂作品とは違った魅力を持っているともいえるし、
今ひとつ、書き込み切れなかったというか、
薄っぺらな印象を持った作品であるともいえる。
好き嫌いが分かれるところだろう。
私はどちらかというと外れ。

★★★

| | Comments (0)

June 01, 2010

ほかならぬ人へ/白石一文

32329711


白石一文の「ほかならぬ人へ 」を読んだ。
表題作と「かけがえのない人へ」の中編2作を収録。
第142回直木賞受賞作。

宇津木明生は財閥の家系の三男。
家族や周囲の反対を押し切ってスポーツメーカーに就職し、
キャバクラで知り合った美人のなずなと結婚する。
しかし、なずなは結婚前からずっと好きな人が
忘れられないと言い出す。
明生もさっぱりとした職場の上司、東海倫子に惹かれていく。
(表題作)

著者の文章は端正で、時に刺激的で、
とても読みやすい。
しかし、ありがちな男と女の関係を描いており、
何か物足りなさを感じる。
そんな中、倫子の存在感は別格。
見た目がいくら悪くても、
その行動からは凛とした美しさがうかがえる。

「かけがえのない人へ」はどうなんだろう。
どの登場人物にも感情移入できなく何度も興ざめしたが、
激しい性愛表現にはどきっとした。

この作品で直木賞受賞なのか、うーん、どうなんだろう。
私ならこの作品ではなく、
前作「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(上下巻)」の圧倒的なパワーに
軍配を上げる。

★★★

| | Comments (0)

« May 2010 | Main | July 2010 »