第九地区(N・ブロムカンプ監督)
ニール・ブロムカンプ監督の「第九地区」を見てきた。
南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に
突如、巨大な宇宙船が出現。
故障したのだろうか、飛び立てなくなった宇宙船から
異星人が地上に降りてきたため、第九地区に隔離された。
彼らはその風ぼうからエビと呼ばれ
難民として、長く地球人と共存していた。
しかし両者の間で争いが絶えないため、
別の地区への移転計画が持ち上がった。
この計画を遂行する組織MNUのヴィカス(シャルト・コプ リー)は、
責任者として計画を平和的に進めようと、
エビたちから立ち退きの同意を得る努力をする。
しかしその作業の途中で、
彼らが開発した謎の液体を浴びてしまう・・・
異星人が登場する映画は数々あれど、
人類から差別を受けながらも共存するという設定には驚いた。
それでも、違和感を感じなかったのは、
舞台となったヨハネスブルクでの
アパルトヘイトの存在があったから。
異星人を黒人に置き換えれば、
そのまま南アの現実そのものとなる。
しかし、異星人の大好物はキャットフード、のように、
思わず笑ってしまう遊び心あふれた設定や、
人間臭い言動にはつい笑ってしまった。
一方で後半の戦闘の場面。
虫けら同然に人間やエイリアンが殺されていくのは
いかにもグロテスクで、趣味が悪い。
ずっと目をそらし続けた。
全体的にはB級映画でありながらも、
エンターテイメントにこだわった異色作といえる。
ただし私は好きになれなかったが。
★★★★
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