千日紅の恋人/帚木蓬生
帚木蓬生の「千日紅の恋人」を読んだ。
お父さんの遺してくれた古いアパート
「扇荘」の大家をしながら
福祉施設に勤めている時子。
30代で死別、離婚と2回別離を経験し、
今は一人暮らし。
母とは別居だが、近くに住んでいるため、
一緒にカラオケ教室に行くなど、
身の周りの世話をしている。
このような生活の中で、新たに男性と出会う可能性は低く
バツ2という負い目もあって、起伏のない毎日を送っている。
ところがある日アパートに
スーパーの従業員、有馬さんが入居してきた。
独身で若い彼に、時子はひかれはじめる・・・
主人公の時子さん、
冷たそうな中年女性で
最初は魅力を感じなかったが、
有馬さんが登場し、次第に心を開くようになってからは
時子さん、どうか幸せになってと
祈らずにはいられなくなった。
sexシーンが登場するわけでもなく、
落ち着いた大人のラブストーリー。
ハッピーエンドも心地よい。
★★★★
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Comments
帚木さんの作品に、こんなやさしげな(?)ものがあったなんて知りませんでした。
彼の本は、数冊読みましたが、どれも、けっこうシリアスでハードな感じだったから、意外です。
読んでみたいわ~♪
Posted by: 百子 | February 15, 2010 11:58 PM
百子さん
この作品、あらすじからは、
帚木作品らしくないように見えます。
でも、アパート住民一人一人の暮らしぶりや
人間関係のあやなどを読んでいくと、
さすが、精神科医と思わせる場面が
多々登場します。
なかなか味わいある作品です。
Posted by: るうかす | February 18, 2010 06:31 PM