笑う警官/佐々木譲
佐々木譲の「笑う警官」を読んだ。
'06年版「このミス」の10位に選ばれた作品。
8日間の海外出張に持っていった本の1冊で、
行きの成田ーLAで一気読みした。
舞台は札幌。
アパートで女性の変死体が発見された。
女性は北海道警察本部の美人警官と判明。
交際相手の、同じ本部に所属する津久井巡査部長が犯人と断定され、
射殺命令が出る。
所轄署の佐伯警部補は、かつて、
津久井と組んで仕事をしたことがあり、
彼の潔白を証明するために有志を集め、
極秘裏に捜査を始めた・・・。
著者の警察小説はどれも実に面白い。
この作品も例外ではないが、
ただ、無理な点もいくつかあった。
まずは、組織とは別に捜査チームを作ることは、
いかにも難しいのではないかと。
次に、その組織で翌朝までに犯人を見つけるという設定も
それは無理だろうと思わざるを得ない。
さらには、射殺命令、
そこまではしないでしょう(笑)
それからタイトルについて。
文庫本化と映画化に際し、
「うたう警官」から「笑う警官」に改題された。
うたうとは、組織の不正を外部にリークすることを示す隠語で、
分かりづらいということらしい。
しかし「うたう〜」のほうが、
小説の内容を的確に表していると思う。
ということで評価は少々厳しく。
評価:★★★
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