恋文の技術/森見登美彦
森見登美彦の「恋文の技術」を読んだ。
京都の大学院生・守田一郎は、
くらげの研究のため、
遠く離れた能登の研究所に送られた。
ここはとんでもない田舎、
守田は人恋しさを紛らわすため、
彼の友人・小松崎や妹・薫、
研究室に君臨する女王・大塚緋沙子、
かつて家庭教師をしていた少年・間宮、
大学の先輩で作家・森見登美彦に、手紙を書きまくる。
「文筆修行」と称して、友人の恋の相談に乗ったり、
阿呆らしい手紙を書きつづったり、
院の先輩と壮絶なバトルを繰り広げたり、
はたまた、作家の森見登美彦に
恋文の書き方を教示してもらったりする。
守田は、同級生の伊沢に思いを寄せている。
磨いた恋文の技術で、彼女との恋を成就することはできるのか・・・
書簡体小説、つまり手紙だけで構成された作品。
読者は、守田からの手紙しか読めないので、
相手からの返信の内容は想像するしかないのだが、
これが謎解きのようでわくわくする。
独特のふざけた文体と、
散りばめられたさまざまな仕掛けも相まって、
大いに楽しませてもらった。
★★★★★
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