きのうの神さま/西川美和
西川美和の「きのうの神さま」を読んだ。
第141回(平成21年度上半期)直木賞の候補作で、
残念ながら受賞は逃した。
著者は今、注目を集める若手映画監督。
この小説は、僻地医療を題材とした映画
「ディア・ドクター」製作のため取材した中で
映画では語りきれなかったエピソードを
5つの短編としてまとめたもの、
いわば、映画のアナザーストーリーとなっている。
どの作品も淡々とした中に、
思わずニヤリとさせられるセリフや
どきりとするセリフがあって、
あっという間に読み終えた。、
映画を見た後であれば、
スクリーンでの登場人物は小説の中のだれなのかなと
想像しながら読むもの楽しい・
ただ、5作ともネタとして面白いだけに
短編では惜しいという印象を持った。
裏返せば、作品としての深みがないかなと。
しかし、映画、小説、どちらのジャンルでも一流、
さらには若くて美しい・・・
天は二物を与えるものなのか。
★★★★
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