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September 05, 2009

名古屋フィル第361回定期演奏会「夏風の中で」

名古屋フィルハーモニー交響楽団の
第361回定期演奏会に行ってきた。

この日も指揮はティエリー・フィッシャー。
プログラムは、ウェーベルン、ベルク、
そしてストラヴィンスキー、
どれも初めて聴く曲、期待も高まる。
特にストラヴィンスキーの「火の鳥」は
ほとんどが1919年版で、
全曲版は名古屋では珍しいのでは。

さて、ウェーベルンの「夏風の中で」は、
ワーグナーやR.シュトラウスを彷彿させるような曲。
さわやかな響きで心地がよかった。
いい意味で予想とは違っていた。

ベルクのヴァイオリン協奏曲は、
マーラーのかつての妻アルマ・マーラーと
建築家グロピウスとの間の娘マノンが
この世を去ったことを悼んで書かれたという。
予習で聴いたCDはギドン・クレーメル。
生で聴いてその魅力にようやく気づいた。
ときどき現れる、はっとするほど美しい旋律は
天上の響きのよう。

オーケストラはよくコントロールされていた。
ヴァイオリンのソロはオーギュスタン・デュメイ。
前に、ピアノのピリスとのデュオを聴いたときに、
でかい!と思ってたが、
ティエリー・フィッシャーと並んでもでかい。
その体に似合わない繊細な音に魅了された。

アンコールがあり、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲
第3番から第2楽章。
これも絶品。

休憩後の火の鳥、
全曲版は4管編成で、しかも、
バンダとして2階席パイプオルガン前にトランペット3人、
舞台後ろにワーグナーチューバ4人が控える編成は壮観。

この日のフィッシャーも、熱が入っていた。
途中、カフスを飛ばすほど、体全体を使っての指揮。
途中で破綻するのではないかと思うくらい、
スピード感のあるスリリングな演奏だった。

実はストラヴィンスキー三大バレエの第1回、
「春の祭典」は期待はずれだったため、
ブログにもアップしていなかったが、
今回のストラヴィンスキーはよかった。
12月に演奏される「ペトル−シュカ」は期待していいかな。

●名古屋フィルハーモニー交響楽団 
 第361回定期演奏会「夏風の中で」
 '09.9.4 愛知県芸術劇場コンサートホール 座席:3階L2-5

[指揮]ティエリー・フィッシャー
[ヴァイオリン]オーギュスタン・デュメイ


【ストラヴィンスキー三大バレエII】
ウェーベルン:牧歌「夏風の中で」
ベルク:ヴァイオリン協奏曲「ある天使の想い出に」
(アンコール)
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番 第2楽章
(休憩)
ストラヴィンスキー:バレエ「火の鳥」全曲

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