暴雪圏/佐々木譲
佐々木譲の「暴雪圏」を読んだ。
舞台は帯広の郊外の町、志茂別。
出会い系で知り合った男性との関係を終わらせようと
包丁を持って出掛ける主婦、
末期ガンだと自覚し、会社の金を持ち逃げしようとする男、
暴力団組長の自宅を襲撃し金を強奪した極悪犯、
義父に犯され家出をしようとする18歳の少女。
登場人物が偶然、居合わせたのが、
町の郊外にあるレストランを兼ねたペンション。
折しも3月のお彼岸に爆弾低気圧が襲ってきた日であった。
町の交番の巡査部長、川久保は
孤立無援のまま事件に対処することになる・・・
リアリティあふれる警察小説を数多く発表している著者だが
この作品は単なる警察小説ではなく
壮大な人間ドラマ。
一気読みとよく言うが、
この本は読み始めたら止まらなくなり、
409ページを、本当に1日で読了。
主人公・川久保のラストシーンが印象的でかっこいい。
映画であれば、たぶん、
ストップモーションで終わるところだろう。
登場人物のその後は気になるが、
ここでは明らかにされない。
潔いと感じた。
★★★★★
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Comments
読みました~!
すっごく夢中になれました。
読書の秋に最適の本ですねー♪
Posted by: 百子 | October 10, 2009 10:52 PM
昔は、警察小説というだけで
避けていた時期がありました。
横山秀夫を読み始めてからは、
そんなアレルギーもなくなり、
今は大好きな小説のジャンルのひとつです。
Posted by: るうかす | October 12, 2009 07:30 PM