少女/湊かなえ
湊かなえの「告白」に続く第二作「少女」を読んだ。
高校生の桜井由紀と草野敦子が主人公。
幼なじみで、小さいころは一緒に剣道教室に通っていた。
そんな二人だが、由紀の書いた小説が盗作されたことをきっかけに、
次第に離れていく。
そんなとき転入生の紫織が現れ、3人は話をするようになる。
紫織が「死を目撃した」ことを語り、人の死に関心を持つ2人は、
「人が死ぬ瞬間を見たい」と、
夏休みにそれぞれ、病院と老人福祉施設でアルバイトを始める・・・。
二人の少女が交互に語る構成は、
どちらのことなのか、読んでいても分かりづらく、頭が混乱した。
それが狙いなのかとも思ったが、そうでもなさそうだし、
この点は大きな減点。
しかし何でもないエピソードの数々が
綿密に仕掛けられた伏線となっており、
最後にすべて収束するさまは実に見事。
全体の完成度では前作「告白」に及ばない。
★★★★
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