劔岳 点の記(木村大作監督)
木村大作監督の「劔岳 点の記」を見てきた。
監督は黒澤作品の名カメラマンで、今回が初メガホン。
明治時代、日本陸軍は国内地図最後の空白地である
劔岳を測量しようとする。
命じられたのは、参謀本部陸地測量部の柴崎芳太郎(浅野忠信)。
柴崎は現地在住でこの地域に詳しい
宇治長次郎(香川照之)を頼りに、
この前人未到の峰に挑む。
一方、日本山岳会の小鳥烏水(仲村トオル)も
この山の初登頂を狙っており、
マスコミが両者をあおり立てる。
軍は何が何でも、山岳会よりも早い登頂を
柴崎たちに命令するのだが・・・
山の映像にCGがほとんど使われていないというのは驚いた。
この素晴らしい映像が一番の見どころだろう。
しかし映画の出来となると、
それほど高い評価を与えるわけにいかない。
一人一人の登場人物を十分に描き切れてないし、
展開が早く、見ていて落ち着きのない作品となってしまった。
必要のないエピソードも少なくなかった。
問題は脚本か、あるいは編集だろうか。
また、音楽ももう少し何とかならなかったのだろうか。
ヴィヴァルディの四季の“冬”では余りにも直球、
しかも何度も繰り返し使われている。
見ていて恥ずかしさを感じてしまった。
縦書きで流れるエンドクレジットには肩書きが無い。
皆が平等にこの映画を支えたメンバーで
あるということなのだろう。
妙なところで感動した。
★★★
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