モダンタイムス/伊坂幸太郎
伊坂幸太郎の「モダンタイムス」を読んだ。
SE(システムエンジニア)の渡辺は、
ある日突然、殺し屋に襲われ
あやうく命を落としそうになる。
それから彼の周りでは、ひどい事件・事故に遭う人が相次ぐ。
どうやら、ある言葉の組み合わせをパソコンで検索すると、
被害に遭うことが分かってきた・・・
週刊モーニングで連載されたという変わり種の小説。
あとがきで
「全力疾走した短いお話を五十六個積み重ねたかのような」
との表現もあるくらい、
休む間もなく、話が展開していく。
タイトルの「モダンタイムス」は、
チャップリンの傑作映画から取っている。
システム化された近代社会の中では、
労働者は歯車になってしまうという風刺映画。
この小説には、何度もシステムという言葉が登場。
検索した人をひどい目に遭わせていたのは、
悪人や組織ではなく
"資本主義国家"のシステムであったというのは、
まさに、チャップリンの世界と重なる。
殺し屋、岡本猛や作家、井坂好太郎など、
いつものように個性的な人物がずらりと登場する。
なかでも奥さんの佳代子は、
歴代、伊坂ワールドでも最高、そしてたぶん最強。
こういう女性にしびれるワタシはM嗜好あり?
そして、最後にわかる超能力がアレとは(笑)
このあたりのセンスは、この作家らしい。
★★★★☆
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