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April 14, 2009

METライブ・ビューイング「夢遊病の女」

Present20090308

METライブビューイングを見てきた。
ベッリーニのオペラ「夢遊病の女」。
NYメトロポリタン・オペラのライヴ映像の上映で
12月の「ファウストの劫罰」、1月の「タイス」、
3月の「ランメルモールのルチア」に続いて
今シーズン4回目の鑑賞。

ナタリー・デセイとファン・ディエゴ・フローレスの共演が
一番の見どころで、期待どおりのパフォーマンスを見せてくれた。
デセイは、アップになるとさすがに顔の皺を隠せないが、
それでもチャーミングで表現力ある演技は見事。
フローレスもいつもどおり、本当に気持ち良く歌ってくれる。
さらにはロドルフォ役のミケーレ・ペルトゥージと
リーザ役のジェニファー・ブラックも
それぞれの役柄にぴったり。
特にペルトゥージの中年男の嫌らしさは
ほとんど地でいってるのではと思えるくらいだ。

演出は、前回見た「ルチア」と同じ女流のメアリー・ジマーマン。
いわゆる読み換えで、
舞台を現代のニューヨークに移し、
出演者はオペラのリハーサル中という想定。
これは開演前に、
進行役の歌手、デヴォラ・ボイトが説明してくれた。
見たことのないオペラなので、
教えてもらえなければ理解できなかったかも。
小物にまでこだわった舞台美術も見応えあった。
これはライブビューイングならではだろう。

入場料が3,500円のライブビューイング。
映画だと思うと高い気がする。
しかし、これだけ楽しませてもらえば、
納得の価格ではないだろうか。

次回は今シーズンの最後、ロッシーニの「チェネレントラ」、
タイトルロールのエリーナ・ガランチャは見逃せない。
2年前に、パリ・シャンゼリゼ劇場で
ヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウをバックに
ベリオを歌ったのを聴いた。
歌唱力はもちろんのこと、美ぼうとスレンダーなスタイルが
印象に残っている。

●METライブ・ビューイング 「夢遊病の女」
 指揮:エヴェリーノ・ピド
 演出:メアリー・ジマーマン

 アミーナ:ナタリー・デセイ
 エルヴィーノ:ファン・ディエゴ・フローレス
 ロドルフォ:ミケーレ・ペルトゥージ
 リーザ:ジェニファー・ブラック

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