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April 13, 2009

とんび/重松 清

200312000228


久しぶりの重松清作品「とんび」を読んだ。

無骨だが皆に愛されているヤスさん。
幼い頃から両親を知らずに育った彼が
やっと得た家族、美しい妻と長男アキラ。
しかし3人の幸せな生活は短かった。
妻が事故に巻き込まれこの世を去る。
男手ひとつでアキラを育てるヤスさん・・・

わが子の幸せを願いながら子育てに悪戦苦闘する父親、
その喜びと哀しみを描く。
重松作品らしく、泣かせる場面が何度も登場。
私自身、父親を早くに亡くしたため、
親子、特に父と子を描いた映画、小説にめっぽう弱い。
この作品でも、何度、目頭を熱くしたことか。

ヤスさんの周りの人たちがいい人ばかり。
みんなでアキラを育ててきたのは
いかにも昭和の時代らしい。
私の街でも「子どもたちは地域で守り、育てよう」という
子育てのスローガンを掲げている。
この作品はその言葉そのもの。
ぜひこうであってと願うのだが、
現実はもっと厳しいんだろうな。

評価:★★★★☆

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