きのうの世界/恩田陸
恩田陸の「きのうの世界」を読んだ。
第140回直木賞のノミネート作品。
突然失踪した市川は、M町の中州の丘にある小屋に住みつく。
M町には、黒い塔が3本あり、1本は壊れたまま。
また、雨の強さによって流れの変わる不思議な水路が設けられていた。
市川は地質調査と称し、
町内の人々に色々なことを聞いて回っていたが、
ある日、水無月橋で殺害されてしまう・・・
壮大なスケールで描かれた約500ページの長編。
最初から引きつけられ、
一気に読み続けるのだが、
最後は肩すかしをくわされるというのが
恩田陸作品のいつものパターン。
今回も同じ。
だったら読まなければいいのだが、
新刊が出るたびに、つい手に取ってしまう
不思議な魅力を持っている。
ちりばめられた謎のいくつかは、
解明されることなく、謎のまま残っている。
意図的なのだろうが、これが肩すかしと感じてしまう
一番の要因なのだと思う。
帯にあった「恩田陸の集大成!」は
誇大広告だね、どうみても。
評価:★★★
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