« March 2009 | Main | May 2009 »

April 29, 2009

サラマンカ・クラシックカーニバル

Img_2292

Img_2288

Img_2290


岐阜市のサラマンカ・ホールで、
「クラシックカーニバル2009」を見てきた。
ホールの開館15周年を記念して開催されたもので、
これからも継続されるという。

オープニングは、このホールのために作曲された
「祝典ファンファーレ」。
演奏は県立岐阜商業高等学校の吹奏楽部。
毎年、夏のコンクールで金賞を授賞し、
東海大会に出場する実力校だ。
指揮者は古風なコスチュームで登場し、
観客から歓声が上がっていた。

続いて特設ステージでは、
ストリングスユニットSEASONSのミニコンサート。
短くアレンジされたヴィヴァルディの「四季」と、
「20センチュリー・ボーイ」の2曲を披露。
演奏はともかく、5人とも美形でスタイル抜群、
黒のトータルコーディネートで、
視覚的には十分楽しめた。

イベントは夕方まで続いたが
私は用があり2時間ほどで帰宅。
帰り際に、特別展示コーナーで
今までの主催事業の一覧表で確認したら、
このホール、結構、足を運んでいた。

こけら落とし公演の秋山指揮大阪フィルをはじめ、
朝比奈隆指揮大阪フィル、ミョンフン指揮サンタ・チェチーリア管、
デュトワ指揮モントリオール響、小澤征爾指揮新日本フィルなど
そうそうたるオケをこのホールで聴いている。
展示してある当時のチラシが実に懐かしかった。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 28, 2009

レッドクリフ Part II (ジョン・ウー監督)

332747view001


ジョン・ウー監督の、
「レッドクリフ Part II —未来への最終決戦—」を見てきた。

圧倒的な兵力を誇る曹操(チャン・フォンイー)軍に対する
劉備(ユウ・ヨン)と孫権(チャン・チェン)の連合軍。
曹操の卑劣な疫病作戦に、
劉備軍は早々と連合を解消して撤退する。
しかし、劉備の軍師・諸葛孔明(金城武)は残り、
孫権軍の指揮官・周瑜(トニー・レオン)とともに
戦い抜くことを誓う。
そして、三国志でも最大と言われる「赤壁の戦い」が始まった・・・

言うまでもなく前作からの続編。
しかし、映画が始まる前に、
日本語とイラストで前作のおさらいが流れ、
新たな人物が登場するたびに名前が字幕で表されるので、
わざわざ前作を見直す必要はない。

前半は、どちらかというと「静」。
魏軍の疫病作戦、蜀軍の撤退、尚香の敵軍スパイ作戦・・・
そして、10万本の矢を集める孔明の調達作戦の場面で
まず最初の盛り上がり。
これには胸のすく思いがした。

「動」の後半は戦闘場面の連続。
大迫力の爆発と火災炎上が続く、続く、
いったいどれだけ火薬を使ったんだろう。
これには圧倒されてしまった。

魅力あるキャラクターにアクション、友情、恋愛と
てんこ盛りの大スペクタクル映画、
と言ったところだろうか。
もちろんこういう映画は、映画館で見るに限る。

ところで尚香(ヴィッキー・チャオ)とデブ助のエピソードには、
取ってつけたようなというか、
すごく違和感を感じたんだが、
一般的な評価はどうなんだろう。

評価:★★★★

| | Comments (1) | TrackBack (0)

April 27, 2009

猫を抱いて象と泳ぐ/小川洋子

32187111


小川洋子の「猫を抱いて象と泳ぐ」を読んだ。

チェスを愛した寡黙な少年の物語。
彼は口が閉じたまま産まれた。
切開手術を受けた際に脛から皮膚移植をしたため、
唇から毛が生えている。
祖父母や弟と質素な生活をしていたが、
ある日、廃バスに住む大男の“マスター”から
チェスの手ほどきを受けることになった。
めきめきと力と付けていく少年のプレイスタイルはユニーク。
チェステーブルの下にもぐり、
駒の音を聞きながら熟考するというもの。
ひょんなことから、秘密クラブの自動チェス人形
“リトル・アリョーヒン”の中に入ることになり、
誰にも姿を見せることなく、次々と美しい棋譜を残していく・・・

大きくなりすぎて、デパートの屋上で
一生を過ごすことになった象のインディラ、
壁の隙間にはまって出られなくなった少女ミイラ、
太りすぎたため住んでいた廃バスから
出られないまま亡くなったチェスの師匠“マスター”、
不思議な人物が登場し、不思議な出来事が起きる。
そしてそれぞれが優しさに満ちている。

対戦の場面は比喩をうまく用いており、
チェスに関する知識がそれほどない私でも、
状況は十分に理解できた。
静けさに包まれたラストも感動的で、
心を揺さぶられた。

ただし、唇から脛毛が生えるという表現は、
生理的に嫌悪感があり、
最後まで受け入れることができなかった。
これがなければ満点なんだけど・・・
女性の読者はどう感じるんだろう。

評価:★★★★☆

| | Comments (2) | TrackBack (1)

April 24, 2009

シェーン(G・スティーヴンス監督)

119149467_1


可児市文化創造センターのアーラ・シネマ・コレクションで
G・スティーヴンス監督の「シェーン」を観てきた。

ワイオミング州の移住民、スターレット(ヴァン・ヘフリン)一家のところに
ひとりの旅人がやってきた。
男の名前はシェーン(アラン・ラッド)、
いつしか居候をしながら家業を手伝うようになった。
一家は妻(ジーン・アーサー)と
一人息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)の3人家族。
かねてから土地をめぐり
スターレット一家ら移住民と対立していた地主のライカーは、
シェーンにも嫌がらせをするようになる。
両者の対立はとうとう殺し合いにまでエスカレートする・・・

一般にいう西部劇と違うのは、
全編を貫く「静けさ」と子どもの視点。
撃ち合いの場面が極端に少なく、
よってジョーイの前での試し撃ちの場面や
殺し屋(ジャック・パランス)との決闘場面のインパクトは、
すさまじいものがあった。

何十年ぶりかにスクリーンで見て再発見したのは
名匠ヴィクター・ヤングによる音楽の素晴らしさ。
交響詩でも聴いているかのように
イメージが膨らむオーケストレーションに聴き惚れた。

スターレット一家らとライカーの対立は
じっくり見直してみると、両者とも言い分があり、
必ずしも前者が善、後者が悪とは
言い切れないところがあると感じた。
これも新しい発見。

シェーンとスターレット夫妻の三角関係に近い淡い恋も、
伏線として嫌味なく描かれており、
この映画をさらに深いものとしている。

ラストにジョーイ少年がシェーンに向かって叫ぶ
「シェーン、カンバック!」が
歴史に残る名シーンであることは言うまでもない。

評価:★★★★★

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 20, 2009

エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル

キーシンのピアノ・リサイタルを聴いてきた。

前半はプロコフィエフ、後半はショパンという
分かりやすいプログラム。
いやはや驚いた、
こんなにも美しく幻想的に、ときに激しく演奏できるなんて。
鍵盤がよく見える位置で聴いていたのだが、
左手が本当によく動いていた。

前半の聴きどころは、プロコフィエフのピアノソナタ第8番。
CDで予習しておいたのだが、
正直言って、よく分からなかった。
しかしこうして生で聴いてみると、
叙情的で美しい2楽章、
歯切れが良く、技巧のキレを見せる3楽章には
目が引きつけられた。

後半は、ショパンの幻想ポロネーズ、マズルカの後、
エチュードを8曲、立て続けに演奏。
これが圧巻。
力いっぱい鍵盤を叩いても、超高速で弾いても
美しい音色が聴けるのはなぜ?
演奏がすべて終了し、こちらは放心状態。
ところがこれからがまだ長い。
アンコールは6曲。

1996年の大阪ザ・シンフォニーホールで
アンコールを何と13曲演奏したという「キーシン伝説」。
それには及ばないが、今回の日本ツアーでも
多い会場では8曲アンコールにこたえている。

ファンとしては1曲でも多く聴きたいのはやまやまだが、
だんだん、キーシンが気の毒になってきた。
きっと真面目なんだろうな、こいつって思う。
もう断ればいいのに、
観客のスタンディングオベーションと歓声、拍手に
律儀にこたえようとする。
あんなにもアンコールをせびるのは
本当のファンがすることではないのじゃないかって疑問を持った。

●エフゲニー・キーシン ピアノ・リサイタル
 '09.4.15 愛知県芸術劇場コンサートホール 座席:3階L1-2

プロコフィエフ:バレエ「ロミオとジュリエット」から10の小品Op.75より
 「少女ジュリエット」「マキューシオ」「モンタギュー家とキャピレット家」
プロコフィエフ:ピアノソナタ第8番「戦争ソナタ」 Op.84
(休憩)
ショパン:幻想ポロネーズ Op.61
ショパン:マズルカ op.30-4,op41-4,op59-1
ショパン:12の練習曲 Op.10より 第1番 ハ長調、第2番 イ短調、
     第3番 ホ長調「別れの曲」、第4番 嬰ハ短調、第12番 ハ短調「革命」
     Op.25より、第5番 ホ短調、第6番 嬰ト短調、第11番 イ短調「木枯らし」
(アンコール)
ショパン:ノクターン第8番 変ニ長調
プロコフィエフ:「4つの小品」より“第4曲 悪魔的暗示”
プロコフィエフ:歌劇「3つのオレンジの恋」より“行進曲”
ショパン:ワルツ第2番 嬰ハ短調
ショパン:ワルツ第6番 変ニ長調 (小犬のワルツ)
モーツァルト:ピアノソナタ第11番 イ長調 “第3楽章”(トルコ行進曲)

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 18, 2009

きのうの世界/恩田陸

32124538

恩田陸の「きのうの世界」を読んだ。
第140回直木賞のノミネート作品。

突然失踪した市川は、M町の中州の丘にある小屋に住みつく。
M町には、黒い塔が3本あり、1本は壊れたまま。
また、雨の強さによって流れの変わる不思議な水路が設けられていた。
市川は地質調査と称し、
町内の人々に色々なことを聞いて回っていたが、
ある日、水無月橋で殺害されてしまう・・・

壮大なスケールで描かれた約500ページの長編。
最初から引きつけられ、
一気に読み続けるのだが、
最後は肩すかしをくわされるというのが
恩田陸作品のいつものパターン。
今回も同じ。
だったら読まなければいいのだが、
新刊が出るたびに、つい手に取ってしまう
不思議な魅力を持っている。

ちりばめられた謎のいくつかは、
解明されることなく、謎のまま残っている。
意図的なのだろうが、これが肩すかしと感じてしまう
一番の要因なのだと思う。

帯にあった「恩田陸の集大成!」は
誇大広告だね、どうみても。

評価:★★★

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 14, 2009

METライブ・ビューイング「夢遊病の女」

Present20090308

METライブビューイングを見てきた。
ベッリーニのオペラ「夢遊病の女」。
NYメトロポリタン・オペラのライヴ映像の上映で
12月の「ファウストの劫罰」、1月の「タイス」、
3月の「ランメルモールのルチア」に続いて
今シーズン4回目の鑑賞。

ナタリー・デセイとファン・ディエゴ・フローレスの共演が
一番の見どころで、期待どおりのパフォーマンスを見せてくれた。
デセイは、アップになるとさすがに顔の皺を隠せないが、
それでもチャーミングで表現力ある演技は見事。
フローレスもいつもどおり、本当に気持ち良く歌ってくれる。
さらにはロドルフォ役のミケーレ・ペルトゥージと
リーザ役のジェニファー・ブラックも
それぞれの役柄にぴったり。
特にペルトゥージの中年男の嫌らしさは
ほとんど地でいってるのではと思えるくらいだ。

演出は、前回見た「ルチア」と同じ女流のメアリー・ジマーマン。
いわゆる読み換えで、
舞台を現代のニューヨークに移し、
出演者はオペラのリハーサル中という想定。
これは開演前に、
進行役の歌手、デヴォラ・ボイトが説明してくれた。
見たことのないオペラなので、
教えてもらえなければ理解できなかったかも。
小物にまでこだわった舞台美術も見応えあった。
これはライブビューイングならではだろう。

入場料が3,500円のライブビューイング。
映画だと思うと高い気がする。
しかし、これだけ楽しませてもらえば、
納得の価格ではないだろうか。

次回は今シーズンの最後、ロッシーニの「チェネレントラ」、
タイトルロールのエリーナ・ガランチャは見逃せない。
2年前に、パリ・シャンゼリゼ劇場で
ヤンソンス指揮ロイヤルコンセルトヘボウをバックに
ベリオを歌ったのを聴いた。
歌唱力はもちろんのこと、美ぼうとスレンダーなスタイルが
印象に残っている。

●METライブ・ビューイング 「夢遊病の女」
 指揮:エヴェリーノ・ピド
 演出:メアリー・ジマーマン

 アミーナ:ナタリー・デセイ
 エルヴィーノ:ファン・ディエゴ・フローレス
 ロドルフォ:ミケーレ・ペルトゥージ
 リーザ:ジェニファー・ブラック

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 13, 2009

とんび/重松 清

200312000228


久しぶりの重松清作品「とんび」を読んだ。

無骨だが皆に愛されているヤスさん。
幼い頃から両親を知らずに育った彼が
やっと得た家族、美しい妻と長男アキラ。
しかし3人の幸せな生活は短かった。
妻が事故に巻き込まれこの世を去る。
男手ひとつでアキラを育てるヤスさん・・・

わが子の幸せを願いながら子育てに悪戦苦闘する父親、
その喜びと哀しみを描く。
重松作品らしく、泣かせる場面が何度も登場。
私自身、父親を早くに亡くしたため、
親子、特に父と子を描いた映画、小説にめっぽう弱い。
この作品でも、何度、目頭を熱くしたことか。

ヤスさんの周りの人たちがいい人ばかり。
みんなでアキラを育ててきたのは
いかにも昭和の時代らしい。
私の街でも「子どもたちは地域で守り、育てよう」という
子育てのスローガンを掲げている。
この作品はその言葉そのもの。
ぜひこうであってと願うのだが、
現実はもっと厳しいんだろうな。

評価:★★★★☆

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 12, 2009

テレビドラマ「駅路」

Tnr0904070801000p1


テレビはニュースかドキュメンタリーしか見ない。
ドラマなんて何年振りだろうか。
きっかけは偶然目にした予告編。
マーラーの交響曲第3番の終楽章が使われ、
しかも脚本は向田邦子だという。
見逃すわけにいかなくなった。

昭和の時代が終わるとともに、
一人の男(石坂浩二)が定年を迎えようとしている。
銀行で真面目に勤めてきた男は、
旅行に行くと家を出たまま、行方が分からなくなる。
同じく定年を迎えようとしている刑事(役所広司)が、
この捜査を担当することになった。
男は真面目一筋で仕事熱心という情報以外に何も出てこないが、
やがて女の存在が分かってくる・・・

見終わって・・・脱帽。
テレビらしくなく、ゆったりとしたテンポで
物語が進むのが良かった。
演出したのは「北の国から」の杉本成道。

刑事の役所広司、福村慶子役の深津絵里、
福村よし子役の木村多絵、
小塚貞一役の石坂浩二、同妻役の十朱幸代など、
役者は皆、最高の演技を見せてくれた。

挿入曲はマーラー以外にも、
有名なギター曲「アルハンブラの思い出」
ビゼ−の歌劇「真珠採り」より“耳に残るは君の歌声”
バーバーの「アダージョ」など。
選曲はもちろんのこと
何度も繰り返す使い方も印象に残った。

再放送されるのなら、もう一度見てみたいドラマ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 09, 2009

山下達郎 Performance 2008-2009

山下達郎のライブを見てきた。

休憩なし3時間15分のパフォーマンス。
“ずっと一緒さ”“FOREVER MINE” “クリスマス・イブ”に
涙、涙・・・

詳細は後日。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 08, 2009

大黒摩季のライブ

5月、この街に大黒摩季がやってくる。
「Acoustic Live」〜ら・ら・ら・五月晴れの宴〜
と題したこのライブ、
会場は村国座という小さな芝居小屋。
客席数は驚くことに250席。
ほとんどプライベートライブに近い。

あまり市外にはPRしていないが、
ファンの間で話題になり、
主催者の市役所には電話が掛かりっぱなしらしい。
入場券は4月10日から、
市役所の窓口と市民会館、そして、チケットぴあで発売。
あっという間に売り切れるんだろうな、きっと。
私は関心ないので手を出しません。

参考までにライブの情報・・・
■日時
5月23日(土) (1)午後4時〜 (2)午後7時〜(1日2回公演)
■場所
村国座(岐阜県各務原市)
■曲目
「ら・ら・ら」「夏が来る」「あぁ」など
■料金
ブロック指定 6000円

ここを参照

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« March 2009 | Main | May 2009 »