シェーン(G・スティーヴンス監督)
可児市文化創造センターのアーラ・シネマ・コレクションで
G・スティーヴンス監督の「シェーン」を観てきた。
ワイオミング州の移住民、スターレット(ヴァン・ヘフリン)一家のところに
ひとりの旅人がやってきた。
男の名前はシェーン(アラン・ラッド)、
いつしか居候をしながら家業を手伝うようになった。
一家は妻(ジーン・アーサー)と
一人息子ジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)の3人家族。
かねてから土地をめぐり
スターレット一家ら移住民と対立していた地主のライカーは、
シェーンにも嫌がらせをするようになる。
両者の対立はとうとう殺し合いにまでエスカレートする・・・
一般にいう西部劇と違うのは、
全編を貫く「静けさ」と子どもの視点。
撃ち合いの場面が極端に少なく、
よってジョーイの前での試し撃ちの場面や
殺し屋(ジャック・パランス)との決闘場面のインパクトは、
すさまじいものがあった。
何十年ぶりかにスクリーンで見て再発見したのは
名匠ヴィクター・ヤングによる音楽の素晴らしさ。
交響詩でも聴いているかのように
イメージが膨らむオーケストレーションに聴き惚れた。
スターレット一家らとライカーの対立は
じっくり見直してみると、両者とも言い分があり、
必ずしも前者が善、後者が悪とは
言い切れないところがあると感じた。
これも新しい発見。
シェーンとスターレット夫妻の三角関係に近い淡い恋も、
伏線として嫌味なく描かれており、
この映画をさらに深いものとしている。
ラストにジョーイ少年がシェーンに向かって叫ぶ
「シェーン、カンバック!」が
歴史に残る名シーンであることは言うまでもない。
評価:★★★★★
The comments to this entry are closed.
Comments