チェ 39歳 別れの手紙(S・ソダーバーグ監督)
S・ソダーバーグ監督の「チェ 39歳 別れの手紙」を見た。
「チェ 28歳の手紙」の第二部となっている。
キューバ革命に成功したチェ・ゲバラ(ベニチオ・デル・トロ)は、
政権幹部の地位を捨てて突然、姿を消した。
キューバの指導者でゲバラの盟友でもあるカストロ(デミアン・ビチル)は、
彼からの手紙を発表。
そこには新たな革命の戦いに身を投じたいとの
ゲバラの決意が書かれていた。
彼が向かったのは、独裁軍事政権下の南米ボリビア。
反政府ゲリラ部隊を組織するが、
共産党からも地元の農民からも支持されない。
一方、政府はゲリラ掃討のため
米国の肝いりで特殊部隊を組織する・・・
映画はゲバラのボリビアでの行動を
時系列で淡々と追っていく。
食糧や医薬品が不足し、
ゲバラ自身も持病の喘息の発作に苦しむ姿は
痛々しく目を覆いたくなる。
やがて政府軍に捕らえられるゲバラ。
処刑のシーンからのソダーバーグ監督の演出が圧倒的。
カメラアングルがゲバラの視線になる。
銃弾に崩れ落ちていき、視線は地面を見つめ、
やがて意識がなくなるようにフェイドアウトしていく。
最後に思いがけないシーンが短く挿入される。
キューバに向かう船上でのゲバラの姿。
若々しくて希望に満ちた表情がまぶしい。
エンドロールは全くの無音。
革命に命を捧げたゲバラや仲間たちへの
レクイエムだろうか。
評価:★★★★★
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