そうか、もう君はいないのか/城山三郎
城山三郎の「そうか、もう君はいないのか」を読んだ。
著者の遺稿を編集したエッセイ。
妻の容子との結婚後から2000年2月24日に亡くなるまでの
日々が綴られている。
著者の没後、遺されたメモや原稿を
次女と出版社が再編集し出版にこぎつけたという。
タイトルがいい。
「そうか、もう君はいないのか」
見ただけで連れ合いへの想いが想像できる。
著者の落胆ぶりが目に浮かぶようだ。
そして一気読み、
夫婦の強い愛情に胸が熱くなった。
城山三郎の著書は昔、数冊読んだはず。
経済小説が多く、余り印象に残っていない。
この作品はイメージとは随分異なる。
人間味あふれる文章をじっくりと時間を掛けて味わった。
あとがきにしては長いが、
次女による後記も素晴らしい。
著者が書けなかったことを娘の立場で補完し、
夫婦の愛の軌跡がリアルに伝わってきた。
評価:★★★★☆
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Comments
先日、TVのドラマで見ました。
色々な夫婦がいて、それぞれの形があるのでしょうが
ドラマを見た後は、ただ、ため息が出てボォ~としてしました。
夫婦の絆について考えさせられました。
原作、読んでみたくなりました。
Posted by: 久美 | January 16, 2009 11:25 PM
久美さん
ドラマのことは知っていましたが、
あえて見ませんでした。
原作はぜひ手に取ってみてください。
おすすめします。
Posted by: るうかす | January 19, 2009 12:00 AM