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January 15, 2009

そうか、もう君はいないのか/城山三郎

310817

城山三郎の「そうか、もう君はいないのか」を読んだ。

著者の遺稿を編集したエッセイ。
妻の容子との結婚後から2000年2月24日に亡くなるまでの
日々が綴られている。
著者の没後、遺されたメモや原稿を
次女と出版社が再編集し出版にこぎつけたという。

タイトルがいい。
「そうか、もう君はいないのか」
見ただけで連れ合いへの想いが想像できる。
著者の落胆ぶりが目に浮かぶようだ。
そして一気読み、
夫婦の強い愛情に胸が熱くなった。

城山三郎の著書は昔、数冊読んだはず。
経済小説が多く、余り印象に残っていない。
この作品はイメージとは随分異なる。
人間味あふれる文章をじっくりと時間を掛けて味わった。

あとがきにしては長いが、
次女による後記も素晴らしい。
著者が書けなかったことを娘の立場で補完し、
夫婦の愛の軌跡がリアルに伝わってきた。

評価:★★★★☆

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Comments

先日、TVのドラマで見ました。

色々な夫婦がいて、それぞれの形があるのでしょうが
ドラマを見た後は、ただ、ため息が出てボォ~としてしました。
夫婦の絆について考えさせられました。

原作、読んでみたくなりました。

Posted by: 久美 | January 16, 2009 11:25 PM

久美さん

ドラマのことは知っていましたが、
あえて見ませんでした。

原作はぜひ手に取ってみてください。
おすすめします。

Posted by: るうかす | January 19, 2009 12:00 AM

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