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December 01, 2008

新国立劇場「トゥーランドット」

ちょっと遅くなってしまったが
10月のオペラのレビューを。
新国立劇場、今シーズンの幕開け公演「トゥーランドット」を見てきた。
事前にネットで情報が漏れていたため、
劇中劇をうまく使った演出であることは分かっていた。
しかし想像をはるかに超えた興味深い舞台だった。

まず驚かされたのはオープニング。
指揮者が入場すると大きな拍手、
すぐに静まりオケピットの明かりが消されると会場は真っ暗に。
次第に明るくなって、スモークが焚かれたステージが見えてくる。
プログラムの演出家の言葉によると、時代は1920年代、
まさにプッチーニがこのオペラを作曲した当時。

人が集まってきて、野外公演の準備を始める。
周りには、お菓子のワゴンなども立ち並ぶ。
道化師がカバンを持って登場、
プロンプターのあたりでカバンを地面に下ろし、
スコアを取り出したところで音楽が鳴りいよいよ第1幕。
ここまで、時間にして5分くらいか、
会場全体が注目している中で「トゥーランドット」は始まった。

ずっと劇中劇が続き、
3幕のリューのアリアが終わったところ、
つまりプッチーニが絶筆したところで芝居は終了する。
道化師がプロンプターのところに行き、
置きっぱなしのかばんにスコアを仕舞い、去って行く。
役者たちは服を着替え、現実に戻る。
大合唱の中でオペラは終わる。

ストーリー的にはリューのアリアまでは良かったが、
それ以降は、相当無理がある。
それを許せるかどうかが
この演出の評価の分かれ目。
多少の破綻があったにせよ、刺激的でワタシは十分楽しめた。

主役のカラフ(ヴァルテル・フラッカーロ)、
トゥーランドット(イレーネ・テオリン)とも
歌い始めは不安定でどうかなと思ったが、
2幕後半からは好調に。
声量も十分で、演奏、合唱に決して負けてなかった。
舞台狭しと並んだ合唱団や舞台小屋2階の金管のバンダなど、
その迫力には圧倒された。
オケの演奏、合唱ともに満足のいく出来だった。

●トゥーランドット
’08.10.13 新国立劇場 座席:2階5-33

演出:ヘニング・ブロックハウス
指揮:アントネッロ・アッレマンディ

トゥーランドット:イレーネ・テオリン
カラフ:ヴァルテル・フラッカーロ
リュー:浜田理恵
ティムール:妻屋秀和
アルトゥム皇帝:五朗部俊朗
ピン:萩原潤
パン:経種廉彦
ポン:小貫岩夫
官吏:青山貫
クラウン(マイム):ジーン・メニング 他
ソロ・ダンサー:竹田真奈美、ダンサー、アクロバット
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団、NHK東京児童合唱団

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Posted by: audiostereo wasze ustroje | June 28, 2014 07:04 AM

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