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December 31, 2008

年越しそば

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今年も年越しそばは同僚が打ったもの。
30代にして、本業は農業と言い切れるほど
こだわっている彼の育てたそば、
おいしくいただいた。

今、紅白を見終わる。
ミスチル、かっこよかった。
アンジェラ・アキと森山直太郎に涙。

皆さんよいお年を。

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December 30, 2008

ウォーリー(A.スタントン監督)

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生物が絶滅した地球で、
ひとり黙々とゴミを拾い続けるロボットのウォーリー。
人間たちに置き去りにされて700年、
大好きなミュージカル映画「ハロー・ドーリー!」のビデオで
男女が手を握るシーンを見ては、人恋しさを募らせていた。
ある日、彼の前に真っ白のロボット、イヴが現れ、
ウォーリーはたちまち恋に落ちる・・・

だれもいない地球で一生懸命ゴミを集め、
一度好きになった相手には一生懸命尽くす
無垢で献身的なウォーリーに涙、涙。
ストーリーが単純なだけに、
すぐに主人公へ感情移入してしまった。
映像のクオリティも高く、ほんとうに美しい。
ディテールも凝っており、
SF映画へのオマージュふんだんに盛り込まれた
子どもから大人まで楽しめる娯楽映画。

エンドロールのセンスの良さも
さすがピクサー作品。

評価:★★★★☆

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METライブビューイング「ファウストの劫罰」

METライブビューイングを見てきた。
これは昨シーズンから始まった
NYメトロポリタン・オペラのライヴ映像の上映で
今年のシリーズ第3弾はベルリオーズの「ファウストの劫罰」。

ロベール・ルパージュの新演出とはいうものの、
これは9年前、松本市のサイトウ・キネン・フェスティバルで
彼が演出を手掛けたプロダクションとほぼ同じ。
足場のような舞台装置や、アクロバット、ダンスなどに驚かされた。
ただし、映像による演出はずいぶん追加されている。
この9年間での映像技術は相当進んでいるのだろう。

マルグリット役はスーザン・グラハム、
彼女は松本でも歌っている。
メフィストフェレスはジョン・レリア、
ファウストはマルチェロ・ジョルダーニ、
この3人が主な役で、あとは合唱が大活躍する。

演出家、ルパージュのコメントと
リハの一部が見られるサイトはここ

チケット代3,500円は映画と比較すれば高く感じるが、
現地で上演されたばかり(この作品は今年11月)の作品を
最高の音響設備で再生するのだから、
ちょうどいい価格ではないか。

次回の上映は1月で、マスネの「タイス」。
以降、プッチーニ「つばめ」、
グルック「オルフェオとエウリディーチェ」と続く。
時間をつくって見に行こうと思う。

また見ていない方には、
昨年のMETライブビューイングのハイライトを。

ここ

きっと見たくなるはず。


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December 29, 2008

福袋って・・・

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正月になると百貨店には
お楽しみ福袋を手に入れる人の列ができる。
百貨店だけではない。
日本各地、店頭にはどこもかしこも福袋が並ぶという様相。
私にはこれがまったく理解できない。

近くのショッピングモールで、
正月から発売される福袋の見本が展示してあった。
例えば1万円のもの、
中身は3万円相当と明記してある。
ほしいものばかり3万円分選んでも1万円、
というのであれば“福袋”といえる。
でも袋の中は欲しいものばかりとは限らない、
というか、そうでない場合が多いと思うのだが。
お店にとっては、在庫処分のいい機会だろう。
と考えるのは、夢がなさすぎ?

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December 28, 2008

金守珍演出「向日葵の柩」

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もう随分前になるが12月1日、
アーラコレクション第一弾、
金守珍演出の芝居「向日葵の柩」を見てきた。

アーラ(aLa)というのは可児市文化創造センターの愛称。
このホールが制作し、全国に情報発信する演劇の
最初の作品が「向日葵の柩」。
本は柳美里が17年前に書き今回が再演。
演出が新宿梁山泊の金守珍となれば、
芝居の仕上がりは大体想像がつく。
新宿梁山泊はその昔、3作品ほど見ている。

さてこの芝居は、妻に逃げられた父(藤川一歩)と、
東大医学部を目指す浪人生の兄(山口馬木也)、
女子高生の妹(山田ひとみ)、
在日朝鮮人家族3人の物語。

舞台美術はシンプルながらもよく考えられている。
ステージ正面は室内となっており、
奥の障子を隔てて外側に自転車が折り重なる。
障子を開けると、遠くに見えるのは大きな月。
途中、自転車や月がライトアップされたり、
クライマックスでは雨が降ったりする。

時々使われる韓国語による会話や歌。
多くの観客は理解できないであろうが、
何を言ってるかは大体想像がつく。
面白い演出だと思った。

役者では山田ひとみが、
難しい妹役をこなしていた。
ぜひまた見てみたい女優だ。
そして松山愛佳、とっても可愛いかった。

ラストの向日葵の怪しげな美しさは
芝居の悲劇性と相まって、
震えがくるほど衝撃的だった。
しかし見終わって帰り道に思い返してみた。
本当に悲劇だったのだろうか、
もしかするとこの家族にとっては
ハッピーエンドではなかったか、
そんなことを感じた深みのあるエンディングだった。

写真がないと、この芝居のイメージが伝えづらいので
公式ブログから借用させていただいた。

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December 25, 2008

大友直人指揮東響「X’mas ファミリーコンサート」

大友直人指揮東京交響楽団の岐阜公演を聴いてきた。
前半はチャイコフスキーの小品とピアノ協奏曲。
小山実稚恵はいつも以上にリラックスして演奏していたようだ。
一方オケは、いまひとつ乗りきれていない様子。
しかし後半になると一変する。

後半は、クリスマスイブにふさわしいプログラム。
クリスマスと言えば「くるみ割り人形」。
組曲の中から有名な7曲を演奏し、
知った曲がやっと出てきたと喜ぶ観客から
大きな拍手が上がった。
オケも全員が宴会用の三角帽をかぶったりして、
ノリノリの演奏を聴かせてくれた。

ルロイ・アンダーソンの3曲はうれしい選曲。
特に「クリスマス・フェスティバル」は
有名なクリスマスソングがメドレーで登場、
この時期しか演奏されない、聴くことのできない曲。
アンコールを含めた4曲が本日のメインディッシュ。
おいしくいただいた。

しかし、いくらクリスマスコンサートといえども、
演奏中のおしゃべりが目立ったのには驚く。
後ろのおじさんは、知ってる曲を鼻声で歌ってたし・・・
本当に勘弁してほしい。
まあ、田舎でクラシックのコンサートなんぞ、聴くなってことか。

●クリスマス・ファミリーコンサート
 ’08.12.24 長良川国際会議場メインホール(岐阜市)

指揮:大友直人
管弦楽:東京交響楽団
ピアノ:小山実稚恵

チャイコフスキー:歌劇「エフゲニー・オネーギン」よりポロネーズ
同:ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調作品23
(休憩)
同:「くるみ割り人形」組曲より「小序曲」「行進曲」「トレパック」
「アラビアの踊り」「中国の踊り」「あし笛の踊り」「花のワルツ」
L.アンダーソン:クリスマス・フェスティバル
同:舞踏会の美女
同:そりすべり
(アンコール)
同:クラリネットの活躍する曲 ※曲目不明

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December 24, 2008

ハッピーフライト(矢口史靖監督)

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矢口史靖監督の新作「ハッピーフライト」を見た。

羽田空港発ホノルル行きの副操縦士鈴木(田辺誠一)は、
厳しい指導教官(時任三郎)のもとで操縦かんを握る。
また同じ機内で、国際線は初搭乗というCAの斎藤(綾瀬はるか)が、
不安と期待を胸に仕事に精を出すが、
失敗も多く落ち込むばかり。
そんなとき、鳥がぶつかり機体の一部が損傷、
緊急事態で飛行機は羽田に戻ることになる・・・。

機内だけでなく、管制塔、ターミナル、整備工場など
空港内で働く多くの人々が登場する。
その働きぶりがとてもリアリティがあり興味深かった。
登場人物それぞれに小さなエピソードがあり、
それが後半の機体トラブルの場面につながっていく。
全日空が特別協賛になので
まさか飛行機が落ちるはずがないと分かってはいても、
機内での緊張感は手に汗握った。

出演者では、チーフパーサーの寺島しのぶが、
大女優の貫禄さえ感じさせる演技。
田辺誠一と時任三郎のパイロットコンビの会話は
漫才を見ているようで楽しかった。
ほかにも田畑智子、笹野高史、平岩紙と、
実力派、個性派が勢揃い。
小日向文世、竹中直人はちょい役どころか
エンドロールでの一瞬だけの登場。
これには笑った。
ディスパッチャーの肘井美佳
初めて見たがなかなかかわいい。
これからは要注目。

評価:★★★★★

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December 22, 2008

出星前夜/飯嶋和一

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飯嶋和一の「出星前夜」を読んだ。
とにかく厚い本、重さは600グラム。
そのボリュームに手に取るまで相当の覚悟が必要だ。

松倉藩の不当な年貢取り立てや圧政で
困窮にあえいでいた島原半島の住人。
さらに追い討ちをかけるように伝染病が蔓延、
子どもたちが次々に倒れていく。
長崎の医師・恵州は庄屋の甚右衛門からの依頼を受け、
島原に入り治療にあたっていた。
しかし代官所は恵州を追い返してしまう。
怒り心頭の若衆・寿安が立ち上がり、
若者たちとともに反乱を起こそうとする。
これをきっかけになり各地で村人が蜂起し、
次第に大きなうねりとなっていった・・・

天草四郎が率いた「島原の乱」を描いた作品。
キリシタンの反乱だと日本史で学んだはずだが、
実際には島原半島を治めていた松倉藩の圧政、
隠れキリシタンの弾圧を大義名分にした無謀な年貢の取り立てによって
追いつめられた村人たちが起こした農民一揆であったことが分かる。

物語の後半になって、
村人たちは原城にろう城し、最後は全滅する。
一方で、寿安は長崎で数奇な運命をたどることになる。
自分が奪った命の数だけ、人を助けたいという思いから、
恵舟の下で医者の見習となり
疫病から子どもたちを守ろうとする。

2万7千人全滅という絶望的な史実の後で、
成長した寿安が描かれるエピローグは、
未来への光明となって読み手を救っている。

文句無しの傑作、今年一番の収穫となった。

評価:★★★★★


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December 21, 2008

田村はまだか/朝倉かすみ

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朝倉かすみの「田村はまだか」を読んだ。

40歳の男女5人が同窓会の三次会で、
札幌ススキノのスナック「チャオ!」を訪れた。
バーのマスター花輪春彦に常連の永田一太、「腕白」池内暁、
「いいちこ」加持千夏、「コルレオーネ」坪田隼人、「エビス」伊吹祥子が
まだ到着しない同級生の田村を待っている間に、
それぞれ過去を振り返る。

構成がうまい。
第一話はマスター花輪の視点で描かれている。
客も、常連の永田の名前が出て来るだけで、
ほかはその他大勢。
第二話になると、池内暁と二瓶正克の2人が登場。
これは第一話とは別の話かなと思っていたら
最後になってつながってくる。

以後、客たちの仕事や家庭の話が続き、
名前や心の奥底に秘めた思いが次々と明らかになっていく。
意外な展開で田村が登場、
それまでのコメディモードが急転する。
そして最後に二瓶と田村は顔を合わせる。
二瓶の言葉、
「きみ、いい男だね」
思わずにやりとさせられ物語は終わる。
最後はしみじみするとてもいい作品だった。

評価:★★★★

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December 20, 2008

シャイン・ア・ライト(M・スコセッシ監督)

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ザ・ローリング・ストーンズの映画
「シャイン・ア・ライト」を見てきた。
ニューヨークのビーコン・シアターで
行われたローリング・ストーンズのライブを、
マーチン・スコセッシがメガホンをとったドキュメンタリー。

直前までライブのセットリストが監督の元に届かない。
やっと届いたその瞬間に
「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」でライブが始まる。
このあたりの編集が実に巧みで、
思わずかっこいい!と声を出してしまいそうだった。
以降、約2時間にわたって演奏された
18曲のライブパスォーマンスに熱狂した。
まさにストーズファンのための映画。
3人登場したゲストでは、
マディ・ウォーターズの「シャンペン・アンド・リーファー」を
ミックとデュエットしたバディ・ガイが圧倒的だった。

この映画、何が辛いかって、
生のライブと違い拍手ができないこと。
ましてや席を立ったり、一緒に歌ったりしたらひんしゅくものだ。
18台のカメラが縦横無尽に動き回る映像は、
あたかもライブ会場の前方にいるような臨場感だから、
余計に消化不良を起こしてしまう。
だからといって映画としての評価が下がるわけではない。
ファンとしては当然、満点の出来。

ライブのセットリストは次のとおり。

01)JUMPIN' JACK FLASH
02)SHATTERED
03)SHE WAS HOT
04)ALL DOWN THE LINE
05)LOVING CUP with Jack White3
06)AS TEARS GO BY
07)SOME GIRLS
08)JUST MY IMAGINATION
09)FRAWAY EYES
10)CHAMPAGNE&REEFER with Budy Guy
11)TUMBLING DICE
12)YOU GOT THE SILVER
13)CONNECTTION
14)SYMPATHY FOR THE DEVIL
15)LIVE WITH ME with Christina Aguilera
16)START ME UP
17)BROWN SUGER
18)(I CAN'T GET NO)SATISFACTION

評価:★★★★★

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December 17, 2008

さあ、読書

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プチ大人買い、かな。
これで正月休みの楽しみができた。

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December 16, 2008

来年の手帳

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やっと来年の手帳を購入した。
いつものようにMOLESKINE(モレスキン)のダイアリー。
これで3年目となる。
今年登場したソフトカバーを選択したので
ちょっと薄くなったかな。

この手帳は基本的に外国仕様で
国民の祝日が記されていないし、
土日曜にしても色が付いていないため、とても見づらい。
そこで最初にすることは、
来年のカレンダーを見ながら、
赤鉛筆で土日曜、祝日に丸印を付けること。
これが完了すると、いよいよ使い初めとなる。

来年は9月にもGWらしき連休があるので楽しみ。
今年できなかった海外旅行をぜひ実現させたい。


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December 15, 2008

FC岐阜のJ1年目が終了

やはりこれは書いておかなければ。
12月6日(土)、FC岐阜の今シーズン最終試合、
サガン鳥栖戦の試合結果。

FC岐阜 1-0 サガン鳥栖

やったね!
でも実はこの日、仕事でスタジアムに行けず、
せっかくのホーム勝利に立ち合えなかった。
これで一度も勝利の場面を目にすることなく、
J2の1年目が終わった。
観戦歴は11試合で3分8敗・・・

時を同じくして、13選手と契約を更新しないとの報道があった。
来季は若手主体のチームに変わっていく。
1シーズン応援してきた選手が解雇されるのは辛いが、
これはプロの世界、仕方がないといえる。
来季の戦力に関してはまったくの未知数だが
それほど心配していない。
松永監督にすべてを任せ、
観客席から熱い応援を続けていきたいと思っている。

《今シーズンの観戦歴》
●2月24日 vs名古屋グランパス 0-1 ※プレシーズンマッチ
●3月16日 vsベガルタ仙台 0-1
●4月19日 vs横浜FC 2-3
●5月03日 vs愛媛FC 0-3
●5月06日 vsサガン鳥栖 0-1
△6月11日 vsロアッソ熊本 0-0
△8月17日 vs徳島ヴォルティス 1-1
●8月30日 vs愛媛FC 0-1
●9月15日 vsセレッソ大阪 0-6
△9月27日 vsアビスパ福岡 1-1
●10月19日 vsモンテディオ山形 1-2
●11月9日 vs横浜FC 0-1

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December 13, 2008

ボックス! /百田尚樹

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百田尚樹の「ボックス!」を読んだ。
高校の運動部を描いた小説といえば
昨年は佐藤多佳子の「一瞬の風になれ」が印象に残った。
今年はこの作品。

ボクシングに天賦の才能を持っているが
勉強はまるでできない鏑矢と、
優等生だが運動は苦手で喧嘩に弱い同級生の木樽。
全く違う性格の2人の高校生が主人公。
舞台は高校のボクシング部で、
同部顧問の耀子の視点から
二人の高校生がボクシングの練習、試合だけでなく
さまざまな体験を通して成長していく過程が描かれている。

昔はボクシングのタイトルマッチがある日は、
テレビの前に釘付けだった。
いつの頃からか見なくなって、今はほとんど関心もない。
ボクシングの魅力はルールの分かりやすさだと思う。
いくつかの反則はあるが、
基本的にパンチを相手に当て、倒したほうが勝ち。

ところがこの小説を読んで、
競技としての奥の深さを感じた。
アマチュアのボクシングは
格闘技ではなく、あくまでスポーツ。
ダウンよりはポイントを重視すること、
高校の部活においては、所属したからといって、
すぐには試合には出られないことなど、
安全がまず第一のスポーツなのである。

さてこの作品では、
熱い物語だった。
ラスト近く、一度をリングを去った鏑矢が
亡くなった丸野との約束、優紀の思いを胸に
再度最強のボクサー稲村との試合に臨むという
いかにもベタな展開と分かってはいても目頭が熱くなってしまった。
そして後日談、
さわやかなエンディングはお見事!

著者は人気番組「探偵ナイトスクープ」で知られる放送作家、
前作の「永遠の0」も傑作だった。
今後も期待大。

評価:★★★★★

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December 11, 2008

天然コケッコー(山下敦弘監督)

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第30回ぎふアジア映画祭で
山下敦弘監督の「天然コケッコー」を見てきた。
'07年度キネマ旬報「日本映画ベストテン」の第2位。

小中学校が同じで全校児童生徒が6人の分校に通う、
中学2年生のそよ(夏帆)が主人公。
ある日、東京から同じ学年の大沢広海(岡田将生)が転校してきた。
生まれて初めての同級生、
都会の雰囲気を持ったかっこいい少年、
そよは期待に胸ふくらむ。

次第に親しくなっていく二人。
海水浴、神社境内での初キッス、季節は秋から冬に、
そしてまた春がやってきた。
修学旅行は、そよの希望が通って東京へ。
広海の住んでいた街を初めて見て、
最初は喜んでいたそよだったが・・・

小中学校が一緒の校舎と、全校生徒6人という設定に、
まずはため息。
40歳代から上の世代は、この田舎の校舎や村の風景から
たまらなくノスタルジーを感じるのではないか。
そして四季折々に変化していく美しい自然。
人間関係がウェット過ぎるところは玉にきずだが、
こんな環境にいれば子どもたちは皆、
すくすくと育っていくのだろうなと想像する。

中学2年生を演じた夏帆が、
最高にかわいくて、
初恋に揺れる乙女心を見事に演じ切っていた。
子どもたちの会話は演技とは思えないような自然さで、
まるでドキュメンタリーを見ているようだった。

大きな事件が起きるわけでもない、
淡々と進む田舎での日常生活を描いたこの映画は、
見るものすべてを幸せにする不思議な魅力を備えている。
卒業式の日、教室から出ていったそよをとらえたカメラは、
大きくゆっくりと回って、懐かしい教室を見せてくれる。
カメラが窓まで到達すると、
そこには高校の制服を着たそよが。
校庭には村の人たちがつどい、
さて、これから花見でも始まるのだろうか。
いいラストシーンだった。

評価:★★★★★

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December 08, 2008

クリエーターズマーケットvol.19

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名古屋のポートメッセなごやで開催された
クリエーターズマーケット」(略称:クリマ)を見てきた。

この催しは、ひとことで言うと「つくる人の祭典」。
イラスト、雑貨、ファッション、インテリアなど、
あらゆるジャンルのオリジナルワークを一堂に集め、
年2回、この会場で開催している。
前回は2年前に訪れたのだが、
ブースの数が飛躍的に増え、
ジャンルも広がっている印象を受けた。
簡単な食事のできるフードコートや、
ステージパフォーマンスもにぎやか、
見て、買って、食べて、聴いて、交流して、
1日楽しめるイベントとして定着してきている。

訪れたのは2日目の日曜日。
開場が11時ということで15分前に到着したのだが、
もう入口には長蛇の列。
クリマの人気を目の当たりにした。
(写真1枚目)

すべてをじっくり見ようと思ったら1日では足りないので、
イラスト、写真、絵画などを中心に回った。
一番気に入ったブースは大橋マミ子さん。
何とも愛らしい動物たちに一目ぼれ。
目立つ場所に飾ってあったトナカイのイラストは
ぜひ手に入れたかったのだけど、
手持ちの現金がなかったので断念。
ポストカードだけを購入した。
(2、3枚目)

次に気に入ったのは羊毛フェルトのクラフト、野中直子さん。
フェルトって、質感といい色彩といい、
アートの素材としては一番好きかな。
癒し効果があるのではとさえ思う。
ほんわかとした出来具合のショートケーキやリースは、
見るだけでなく、触ってみたいという気になる。
手のひらで包み込んだら、心も体も温かくなりそう。
この作家は名古屋のNHK文化センターで
教室を開いていると聞いた。

帰りには「ほぐし処りらく」で10分500円のお試しマッサージ。
疲れを取ってから岐路に着いた。
ぜひまた次回も1日掛けて訪れたいと思った。
(4枚目)

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December 05, 2008

レッドクリフ PartI(ジョン・ウー監督)

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三国志の「赤壁の戦い」を題材にした
ジョン・ウー監督の「レッドクリフ PartI」を見てきた。

漢末期、曹操(チャン・フォンイー)軍に追われる劉備(ユウ・ヨン)軍は
人民を守りながら敗走する。
劉備の天才軍師・孔明(金城武)は、呉の孫権(チャン・チェン)と
同盟を結ぶため周瑜(トニー・レオン)を訪ねた。

三国志にうとい観客向けなのか冒頭にナレーションが、
また映画の途中で人物のクレジットが入り、
予備知識がなくても人間関係が分かる親切なつくりになっている。
NHKの大河ドラマみたいで賛否両論分かれるところだろう。

黒澤映画顔負けの戦闘シーンは圧巻。
ハイスピード・カメラやVFXを駆使した大画面で、
まるでゲームでも楽しんでいるような気分になった。
関羽・張飛など、三国志の著名人物には
それぞれ見せ所をつくってファンにもサービス。
映像としては実によく出来た映画だと思う。

ただストーリーはあまりにお粗末。
昔読んだ吉川三国志を思い出すと、
とても原作にしているとは思えない。
三国志の映画化というより、
三国志の登場人物によるアクション映画、
アクションあり友情ありラブロマンスありの
娯楽大作としてなら楽しめる。

それにしても、赤壁(レッドクリフ)の戦いの前で終わってしまうなんて・・・
これではPartⅠじゃなくて“前編”。
しかもPartⅡは来年4月の公開、遅すぎる~

豪華なキャストのなかでは、
周瑜の妻・小喬役のリン・チーリンが断然光っていた。
予告によるとPartⅡで活躍するらしい。

評価:★★★☆

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December 03, 2008

第38回各務原市民吹奏楽団定期演奏会

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市内では「市吹」と呼ばれて親しまれている、
各務原市民吹奏楽団の第38回定期演奏会を聴いてきた。

いつも驚くのは集客力。
前回は立ち見が出たし、
今回も1,216席の市民会館がほぼ満席。
演奏のレヴェルの高さだけでなく、
この都市の吹奏楽人口の多さからくるものと思われる。
今回の演奏、いわゆるポピュラーな曲は最小限にして、
吹奏楽の魅力を伝えられる意欲的なプログラムとなっていた。

1部は吹奏楽の作品を3曲。
この世界では有名な曲ばかり、なんだろうか?
私が分かるのは「ドラゴンの年」だけ、
しかもタイトルを知っているという程度。
初めて聴いた感想としては、
どの曲もメリハリがあって魅力的だった。
演奏に関して、1曲目は全体にかたさが見られたが、
次第に団員がノっていく様子がよく分かった。

休憩をはさんで第二部は、ルロイ・アンダーソンと、
レナード・バーンスタインという米国の二大巨匠の曲がずらり。
アンダーソンの“サンドペーパー・バレエ”“トランペット吹きの休日”は、
だれもが一度は耳にしたことがある曲で、この日一番の盛り上がりだった。

今回のメインともいえるバーンスタインの“キャンディード序曲”と“同組曲”。
私の大好きな曲で、
メロディメーカーとしてのバーンスタインの才能が
あふれんばかりの楽しい曲。
吹奏楽ヴァージョンとはいえ、
こうして聴けるだけでも幸せな気分になれる。
序曲ではあやうく破綻寸前になる場面もあったが、
組曲に入ってからは実に熱の入った演奏が続いた。
ソロも皆無難にこなし、客席から大きな拍手を浴びていた。

アンコールは4拍子の“ボレロ”。
ユニークなアレンジだ。
順にソロが披露されるのは原曲のボレロと同じ。
途中からは会場の手拍子も手伝って、
大変な盛り上がりとなった。

●第38回各務原市民吹奏楽団定期演奏会
 '08.11.30 各務原市民会館 座席:ち−32

指揮:稲垣雅之
吹奏楽:各務原市民吹奏楽団

清水大輔:セレブレイト
B.アッペルモント:ノアの箱舟
P.スパーク:ドラゴンの年
(休憩)
L.アンダーソン:舞踏会の美女
L.アンダーソン:サンドペーパー・バレエ
L.アンダーソン:トランペット吹きの休日
L.バーンスタイン:「キャンディード」序曲
L.バーンスタイン:「キャンディード」組曲
Ⅰ.考えられる限り最善の世界
Ⅱ,ウエストファリアのコラールと戦いの場面
Ⅲ.死刑執行(何て日だ)
Ⅳ.着飾って、きらびやかに
Ⅴ.草花や菜を育てよう(フィナーレ)
(アンコール)
M.ラヴェル:ボレロ ※編曲者不明

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December 01, 2008

新国立劇場「トゥーランドット」

ちょっと遅くなってしまったが
10月のオペラのレビューを。
新国立劇場、今シーズンの幕開け公演「トゥーランドット」を見てきた。
事前にネットで情報が漏れていたため、
劇中劇をうまく使った演出であることは分かっていた。
しかし想像をはるかに超えた興味深い舞台だった。

まず驚かされたのはオープニング。
指揮者が入場すると大きな拍手、
すぐに静まりオケピットの明かりが消されると会場は真っ暗に。
次第に明るくなって、スモークが焚かれたステージが見えてくる。
プログラムの演出家の言葉によると、時代は1920年代、
まさにプッチーニがこのオペラを作曲した当時。

人が集まってきて、野外公演の準備を始める。
周りには、お菓子のワゴンなども立ち並ぶ。
道化師がカバンを持って登場、
プロンプターのあたりでカバンを地面に下ろし、
スコアを取り出したところで音楽が鳴りいよいよ第1幕。
ここまで、時間にして5分くらいか、
会場全体が注目している中で「トゥーランドット」は始まった。

ずっと劇中劇が続き、
3幕のリューのアリアが終わったところ、
つまりプッチーニが絶筆したところで芝居は終了する。
道化師がプロンプターのところに行き、
置きっぱなしのかばんにスコアを仕舞い、去って行く。
役者たちは服を着替え、現実に戻る。
大合唱の中でオペラは終わる。

ストーリー的にはリューのアリアまでは良かったが、
それ以降は、相当無理がある。
それを許せるかどうかが
この演出の評価の分かれ目。
多少の破綻があったにせよ、刺激的でワタシは十分楽しめた。

主役のカラフ(ヴァルテル・フラッカーロ)、
トゥーランドット(イレーネ・テオリン)とも
歌い始めは不安定でどうかなと思ったが、
2幕後半からは好調に。
声量も十分で、演奏、合唱に決して負けてなかった。
舞台狭しと並んだ合唱団や舞台小屋2階の金管のバンダなど、
その迫力には圧倒された。
オケの演奏、合唱ともに満足のいく出来だった。

●トゥーランドット
’08.10.13 新国立劇場 座席:2階5-33

演出:ヘニング・ブロックハウス
指揮:アントネッロ・アッレマンディ

トゥーランドット:イレーネ・テオリン
カラフ:ヴァルテル・フラッカーロ
リュー:浜田理恵
ティムール:妻屋秀和
アルトゥム皇帝:五朗部俊朗
ピン:萩原潤
パン:経種廉彦
ポン:小貫岩夫
官吏:青山貫
クラウン(マイム):ジーン・メニング 他
ソロ・ダンサー:竹田真奈美、ダンサー、アクロバット
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
合唱:新国立劇場合唱団、NHK東京児童合唱団

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