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November 23, 2008

夏から夏へ/佐藤多佳子

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佐藤多佳子のノンフィクション「夏から夏へ」を読んだ。
タイトルだけでは内容が全く分からないが、
日本の陸上男子4×100メートルリレー(以下、4継)の代表選手を
07年夏の大阪世界陸上から、今夏の北京五輪直前までを描いたもの。
そしてタイミングがいいことに、
出版された直後、五輪で銅メダルを獲得している。

北京五輪で一番の感動シーンは、この4継の銅メダルだった。
有力国が失格したために訪れたメダル獲得のチャンス。
そして結果を出したのだが、決して運が良かっただけでないことが
このノンフィクションを読むとよく分かる。

4継の日本代表の4人、
塚原直樹、末續慎吾、高平慎士、朝原宣治、
そしてリザーブの小島をていねいに取材し
初心者の視点から、極上のノンフィクションに仕上げた。
五輪の前に読んでおけば、
感動も数倍だったろうと少々残念に思った。

著者は「一瞬の風になれ」で陸上部の高校生たちを描いた。
このノンフィクションでも、
選手たちの高校時代の監督からのインタビューを交えているのは
高校時代に選手たちのルーツがあると感じているからだろう。
視点として面白いと思った。

評価:★★★

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