オーバード・ホールOPERA2008「ラ・ボエーム」
プッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」を見るため富山へ出掛けた。
指揮はマエストロ、チョン・ミョンフン、
舞台装置、衣装、道具などの一式ステージセットはボローニャ歌劇場から、
演出はイタリアからロレンツォ・マリアーニを招いての
本格的なオペラ上演。
聞くところによると富山では4年に1回、
このような事業を行っているのだとか。
前回の「カルメン」もチョン・ミョンフンの指揮。
このときのプロダクションは、
私が上野で見たものと同じようだ。
今夏、東海北陸自動車道が全線開通して、
わが家から富山市までは車で2時間半、
十分に日帰り圏内となった。
途中、合掌造りの白川郷や飛騨高山があり、
寄り道するのも楽しい。
しかも9月中旬から、9時~17時の利用は料金が半額。
100キロ以内、1日2回までという条件はあるものの、
17時~19時までの通勤割引も利用し、
途中でICを何度か下りながら走行すると、
ほぼ半額、5000円足らずで往復できる。
というわけで、今回は車で出掛けた。
富山ICを出たのがちょうど12時。
昼食は入善町の友人に教えてもらった「松之寿司」へ。
市街地から離れているので迷ったが何とか到着。
大きな店なのにお客がいない。
不安を感じつつも上にぎりを頼んだ。
小ぶりで好ましい大きさ。
おいしい!
突き出しのもずくとあさり汁も手抜きなし。
これで1500円也。
さて。本題の「ラ・ボエーム」。
プッチーニの中で、いや全オペラの中でも一番好きなこの作品を
チョン・ミョンフン指揮で見られるという幸せ。
オケの出来はまずまず。
寄せ集め、かつ、若いので心配していたが、
さすがマエストロ、見事にまとめてくれた。
ときどきアンサンブルは乱れるものの
非力さは全く感じなかった。
ただ、第2幕だけは冷や冷やした。
児童合唱が走り過ぎたかな。
ミミ役のレミージョが今回の目玉。
透き通る声は観客を魅了した。
特に中音域から上が魅力的だった。
ロドルフォは長身でスリム、この世界では珍しい体型。
声に伸びが無いのが難点だが、演技力は抜群。
第4幕のラストシーンでは、
二人の名演に思わず涙してしまった。
楽しみにしていた中嶋彰子のムゼッタ。
彼女は何を歌ってもハズレが無い。
お色気たっぷりにコミカルなムゼッタを演じてくれた。
舞台装置は、シンプルながらもよく考えられている。
鉄骨の骨組みのような建物が
幕ごとに角度を変えることで
別の場面を表現していた。
富山発のオーバードホール・オペラ、
次回はいつ、何が上演されるのだろうか。
地方公共団体の財政事情を考えると
継続は相当厳しいだろう。
でもぜひ続けていってほしい、
また往復500キロ走って駆け付けますから。
そうそう、帰りに「パティスリー・ジラフ」でチョコ系のケーキを、
「源」で「ますのすし」をお土産に購入。
ジラフは濃厚でかつ上品なケーキ、
こんな田舎でよくぞここまで・・・
看板類がほとんど無い店構えも好感が持てる。
富山へ行くときは必ず立ち寄ろうと思う。
●オーバード・ホールOPERA2008「ラ・ボエーム」
'08.9.23 富山市オーバード・ホール 座席:1階E13
音楽監督・指揮:チョン・ミョンフン
演出:ロレンツォ・マリアーニ
美術・衣装:ウイリアム・オルランディ
照明:クリスティアド・ピアウド
舞台装置・衣裳:ボローニャ歌劇場
ミミ:カルメラ・レミージョ
ロドルフォ:マッシモ・ジョルダーノ
マルチェッロ:カルロ・カン
ムゼッタ:中島彰子
コッリーネ:久保田真澄
ショナール:森口賢二
ベノア、アルチンドロ:晴雅彦
管弦楽:桐朋学園大学、桐朋オーケストラ・アカデミー、
アジア・フィルハーモニー・オーケストラ・アカデミー
合唱:藤原歌劇団合唱部、「ラ・ボエーム」声楽アンサンブル、ほか
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