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September 03, 2008

名フィルサマーコンサート『運命』

開演が近づき、まず驚いたのは、客席がほぼ満席であったこと。
特に1階はよく埋まっていた。
ティエリー・フィッシャー人気なのか、
あるいは単に名曲「運命」めあてなのか。
子ども(10代というより、それ未満)が多かったから後者かな。

というわけで1曲目のドビュッシー。
2楽章、抑え気味ながらきちんとリズムを刻むオケ。
3楽章も女声合唱が主役となりオケは控え目。
指揮者の意図がはっきりとした演奏だった。
岡崎混声合唱団は今回もすばらしい。
10分間だけというのが何とも惜しかった。

2曲目はショスタコーヴィッチで、
ワタシ的にはこの日のメイン。
実は生で聴くのは初めて。
プログラムを見ると顔写真が
とってもチャーミングなバイバ・スクリデが登場。
実際に見ると・・ずいぶん印象が違う(笑)
まあこの世界ではよくあることで(汗)、
体格どおりの迫力ある演奏が聴けた。

この曲は聴かせどころがいっぱい。
特に3楽章の長大なカデンツァでは手に汗を握った。
そしてアタッカで4楽章へ。
ここがまたカッコイイところ、のはずなのだが、
ちょっとオケが外したかな。
それでも最後まで緊張感を維持して終了、
やれやれこの曲は弾く側も大変だが、聴き手も体力を消耗する。

予想していなかったスクリデのアンコール。
ここでバッハが選ばれたのは、流れとしては必然かな。
しかしショスタコーヴィッチを演奏した後のアンコールは
ほんとうにお疲れさま。
申し訳ないような、うれしいような複雑な心境。

インターバルの後は、ベートーヴェン交響曲第5番。
1楽章、気になる「ダ、ダ、ダ、ダァ~ン」の入り方だが、
早い、早い、間髪を入れないとはこのこと。
超快速の演奏でこのままだと2楽章以降、どうなるんだろうと
期待半分、心配半分だったが、
意外にも落ち着いた演奏に戻ってしまう。
いや、4楽章の最後はまた追い込んでいくんだろうと思ったら、
それほどでもなかった。

全楽章聴き終えると、
2〜4楽章がまとまりのある演奏で、
1楽章だけがひと際、とんがった演奏であった。
ともあれ、楽しませてもらった。
この指揮者、何をやらかすか分からない。
これからも聴き逃せないなという率直な感想。

アンコールはドビュッシー。
ぐるっとまた1曲目に回帰するという意図かな、お見事。

●名フィル市民会館名曲シリーズ サマーコンサート
ティエリー・フィッシャー・セレクションⅡ『運命』
’08.8.31 中京大学文化市民会館オーロラホール 座席:1階21-4

指揮:ティエリー・フィッシャー
ヴァイオリン:バイバ・スクリデ
女性合唱:岡崎混声合唱団

ドビュッシー:夜想曲
ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調
(アンコール)バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より第3曲「サラバンド」
ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
(アンコール)ドビュッシー(ビュッセル編):小組曲より第2曲「行列」

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