警官の血/佐々木 譲
佐々木譲の「警官の血」(上・下)を読んだ。
上下巻で800ページを超える大作は、
'08年「このミステリーがすごい!」の第1位に選ばれている。
戦後、警察官となり、
出世よりも地元のひとたちに慕われる
駐在所勤務を選んだ安城清二。
ところが管内で発生した2件の殺人事件を追ううちに
近くの寺の五重塔が炎上する中、不審な転落死を遂げる。
父の志を胸に息子の民雄も警察官の道を選んた。
大学に入学し過激派を捜査するという特命を受け、
見事、任務を果たすと、
父と同じ谷中の天王寺駐在所の勤務となる。
次第に父の死の謎に迫って行く。
ところが民雄もまた非業の死を遂げる。
その息子、和也にも、清二、民雄と同じ血が流れていた。
警察官となり、また特命を受けて、
今度は悪徳警察官の摘発に大きな力を発揮する。
そして、半世紀を経て和也がたどり着いた
祖父と父の死の真実とは・・・
半世紀にわたる時間の流れを縦軸に、
それぞれの時代に起きた事件を横軸に描き、
ミステリーというより、大河小説といった
スケールを感じさせる作品。
東京下町の戦後史ともいえる。
評価:★★★★★
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Comments
早速、買ってきました、上下巻2冊。
中々のボリュームで
途中で中弛みしないか、ちょこっと心配です。
佐々木譲さんの本は
「エトロフ緊急電」を読んだことがあります。
これは、運命的な出会いをした本で
中身も面白く、一気に読んでしまった記憶があります。
仕事が一段落したら、腰を据えて読もうと思ってます。
う~ん、楽しみ!(笑)
Posted by: 久美 | August 07, 2008 03:15 PM
久美さん
「警官の血」はおもしろいですよ、
期待してください。
あっという間に読めてしまうと思います、きっと。
Posted by: るうかす | August 08, 2008 12:22 AM