« June 2008 | Main | August 2008 »

July 30, 2008

名古屋フィル 創立記念日コンサート

遅ればせながら、7月10日に聴いた名古屋フィルのレビューを。
ティエリー・フィッシャー指揮、4、5日の「幻想」に続く第二弾は、
名古屋市民会館での「創立記念日コンサート」。

ウィリアム・テル序曲の冒頭部分はチェロが不安定でひやひやした。
何とか立ち直って最後の行進曲では、
勢いのある演奏を聴かせてくれた。

モーツァルトの20番台のピアノコンチェルトでは、
一番地味ではないかと思われる24番。
ワタシも生で聴くのは初めての曲。
ピアノの河村尚子は良くいえば安定感のある、
悪く言えば平坦な演奏。
疲れがたまっていたので、うとうと・・・

後半の「英雄の生涯」。
金管のキズは多かったけれど、
全体を見渡せば、まあまあの出来。
うまくまとめたという印象。
フィッシャーの指揮は、相変わらずかっこいい!
今後さらにファンが増えていくと思う。
アンコールにJ.シュトラウスⅡを選んだセンスも脱帽。

そして長大なホーネックのソロはさすが、文句なし。

●名古屋フィルハーモニー交響楽団 創立記念日コンサート
ティエリー・フィッシャー・セレクションI
 '08.7.10 中京大学文化市民会館オーロラホール 座席:1階18列12

指揮:ティエリー・フィッシャー
ピアノ:河村尚子
ヴァイオリン:ライナー・ホーネック

ロッシーニ:歌劇「ウィリアム・テル」序曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番ハ短調
(アンコール)スカルラッティ:ソナタK466
(休憩)
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」
(アンコール)
J.シュトラウスⅡ:「ハンガリー万歳」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 29, 2008

警官の血/佐々木 譲

31954820

佐々木譲の「警官の血」(上・下)を読んだ。
上下巻で800ページを超える大作は、
'08年「このミステリーがすごい!」の第1位に選ばれている。

戦後、警察官となり、
出世よりも地元のひとたちに慕われる
駐在所勤務を選んだ安城清二。
ところが管内で発生した2件の殺人事件を追ううちに
近くの寺の五重塔が炎上する中、不審な転落死を遂げる。

父の志を胸に息子の民雄も警察官の道を選んた。
大学に入学し過激派を捜査するという特命を受け、
見事、任務を果たすと、
父と同じ谷中の天王寺駐在所の勤務となる。
次第に父の死の謎に迫って行く。
ところが民雄もまた非業の死を遂げる。

その息子、和也にも、清二、民雄と同じ血が流れていた。
警察官となり、また特命を受けて、
今度は悪徳警察官の摘発に大きな力を発揮する。
そして、半世紀を経て和也がたどり着いた
祖父と父の死の真実とは・・・

半世紀にわたる時間の流れを縦軸に、
それぞれの時代に起きた事件を横軸に描き、
ミステリーというより、大河小説といった
スケールを感じさせる作品。
東京下町の戦後史ともいえる。

評価:★★★★★

| | Comments (2) | TrackBack (1)

July 25, 2008

いのちの王国/乃南アサ

320021872


乃南アサの「いのちの王国」を読んだ。

北海道から沖縄まで18の動物園、水族館が紹介されている。
ガイドブックであるが、そこはさすが直木賞作家、
単なるエッセイに終わらない。
動物たちや飼育係の人たちのエピソードは、
新しい発見がいっぱいで、大変読み応えがあった。
何よりも著者の動物に対する愛情があふれていて、
心を揺さぶられた。
著者の思いは「あとがき」に集約されている。
ここだけでも立ち読みをおすすめする。

今、旭山動物園(旭川市)ばかりが注目されている。
しかし、この本を読むと、
どの動物園・水族館もそれぞれに魅力的。
足を運んで動物たちに会ってみたい、
そんな気にさせる1冊。

カメラマン・荒牧万佐行の写真も迫力満点。
写真集としても十分に楽しめる。

評価:★★★★★

| | Comments (1) | TrackBack (0)

July 24, 2008

改築てんまつ記 4

ソファが決まった。
Noyes(ノイエス)の3P(3人掛け)+オットマン。
このブランドは、名古屋に本社のあるソファ専門店。
自社でデザインから生産、販売までを一貫して行っている。
ネットでも購入できるが、
ショールームで座り心地を確かめ、
生地も自分の目で見て選ぶことができるのがうれしい。

選んだのは“NewSugar Hi-Back Modern”という最新のシリーズ。
まずはハイバックであること、
そしてウレタンと羽毛の絶妙なバランスによる極上の座り心地で即決した。
時間が掛かったのが生地選び。
29種類159色、迷いに迷った結果、
展示してあるものを選んだ。

このショップ、ソファ専門店で、
それ以外のものは何も売ってくれない。
一緒に並べてあるテーブルや小物など、
他社製品とはいえ、値札が付いていてもおかしくないが、
ここでは売らないという。
とにかくソファに徹しているこだわりがうれしい。

ショールームはそれほど広くないが、
EIZOの液晶テレビやAppleのiBookG4が置いてあったりして、
その筋の人(ワタシみたいな)から見るとうれしい限り。
店員のホスピタリティも素晴らしくて、
気持ちよく買い物ができた。

納品予定日は8月12日、
リビングで購入するものは、あとテーブルとラグのみとなった。

●sofa100% Noyes(ノイエス)
 名古屋市東区泉1-12-8 NOyes BLD
 Tel 0120-351-780
 11:00~19:00 毎週火曜日定休
 http://www.ny-k.co.jp/

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 18, 2008

改築てんまつ記 3

居間のTVボード、ブックシェルフは、
予定どおり、市内のメーカー兼小売り店で手に入れた。
安かったので同じデザインのチェストも同時に購入。
あとはソファをどうするか。

今あるのはドイツ製のFUKLA(フクラ)というブランド。
そのまま使い続けるか、思い切って新調するかのどちらか。
ボードやシェルフが新しくなると
ソファがとても貧弱に見えてくるものだ。
これは新しくするしかないなというのが、今の正直な気持ち。
カバーだけ替えるという選択もあるが、
3P×2脚ということで、
これだけで20万円を超えてしまう。
やはり、買い換えにするつもり。

ここまでくると、エアコンや掛け時計、照明も何とかしたくなってきた。
ちょっと予算オーバーだけど、まあ想定内かな。

調理器具は、Fissler (フィスラー)になったみたい。
詳細は不明。

改装の進ちょく状況は、
昨日、システムキッチンが入り、
残る作業は、壁のクロス張りと2カ所のトイレ、洗面台、ドア。
完了まであと1週間の予定。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 17, 2008

改築てんまつ記 2

改築ではエコキュートと同時にIH調理器を導入、
晴れて、オール電化となる。
今までのガスコンロ用調理器具、
いわゆる鍋、ヤカン、フライパンのたぐいを
一新することになったのだが、
この選定がなかなか難しいらしい。

妻から「ネットでメーカーを調べて」と頼まれいろいろ研究、
Vita Craft (ビタクラフト) 、Fissler (フィスラー)、T-fal(ティファール)、
Le Creuset(ルクルーゼ)、Meyer(マイヤー)、WMF (ヴェーエムエフ) 、etc.

各メーカーがさまざまなシリーズを展開しており、
さらに旧製品なども含めると、
選択肢が多過ぎて訳が分からない。
そこで、Vita Craft、Fisslerの2つに絞って価格調査することにした。

必要なのは、鍋が3種類(18、20、26センチ程度)、
フライパン2種類(20、28センチ)、
ヤカン2種類(1.5、2.0リットル)くらい。
定価だと、ゆうに10万円を超える。
ネット通販で平均2割引にしても7、8万円。

一旦、白紙に戻し、国内製品も含めて再検討することにした。
高いものと比べてもそれほど見劣りはしない。
どこがどう違うのか、
詳しい人がいたら、ご教示ください。

さて環境が整ったら、料理を趣味にしようかな。
ちなみにディ・チェコの麺を使った、
バジルとオリーブ油いっぱいのボンゴレロッソは
昔からの得意料理。

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 11, 2008

改築てんまつ記 1

自宅の改築が進んでいる。

今回手を加えるのは、
1階 台所、フロ、洗面所、トイレ、居間
2階 トイレ、洗面所、納戸
ほかにも、各部屋の家具などを一部入れ替える予定。

すでに1階フロ、居間、2階洗面所が終了し
普通に使えるようになっている。

エコキュートって、なんだかすごい。
まだ機能を十分に理解してないけど、
近未来って感じでワクワクする。

現在は、居間のTVボード、ブックシェルフ、デスク、ソファを探しているところ。
買う店も、モノも決めている。
明日から現品半額セールが始まるので、
朝から店の前に並ぶ予定。
どれくらい並ぶ人がいるのだろうか。
今日のiPhoneを見てると、前日とまではいかないけど、
早朝には出掛けたほうがいいかも、なんて
不安になってくる。

明日は事情があって、朝5時出勤の予定、
7時には用事が済むだろうから、そのまま店に並ぼうか・・・

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 09, 2008

名古屋フィル 第349回定期

いよいよ登場、新常任指揮者ティエリー・フィッシャーの、
披露公演となった定期演奏会に行ってきた。

ラフマニノフのピアノ協奏曲3番と幻想交響曲、
その前にホリガーの現代音楽まで付いてくるという、
観客からすると、お得で聴き応えのあるプログラム。

オケのメンバーが揃って気がついた。
あらま、コンマスはライナー・ホーネック。
10日の「英雄の生涯」のために来日していたんだろうけど、
こちらの定期でも登場するとは。
期待はふくらむばかりだ。

今期の名古屋フィル定期は、
プログラムに現代音楽が必ず選ばれている。
この日はホリガーの「トーンシェルベン」。
聴く音楽というより、見て驚いて楽しむ音楽とでも言うのだろうか、
CDならたぶん、全く理解不能な曲。
視覚的にはとても面白かった。
ありとあらゆる手段で、各楽器から音を出していた。
さらに驚くべきこと、
9楽章のうち、最初と最後以外の楽章は曲順の指定がないという。
それってありなの?
と、解説を読みながら思った。

2曲目のラフマニノフ、
名フィルらしくない厚みのある音がホールに響く。
まるでロシアのオケ、は大げさか。
ソロを弾くのはネルソン・ゲルナー。
見かけは井上道義、はたまた三島由紀夫?
ちょっと猫背で怪しげな風ぼうではあるが技巧はすばらしい。
観客の拍手が鳴り止まない中、
アンコールに応えてくれた。

さて、休憩後の幻想交響曲。
これも名演といえる。
フィッシャーは1楽章から、
オケを思うがままにコントロール。
テンポは遅からず、早からずで、
じっくりと曲が構築されていく様子がよくわかった。
4、5楽章のおどろおどろさしさは、
今までに聴いたことがないもので鳥肌が立った。

興奮のうちに全曲が終了。

「すごいぞ、名フィル!」

今シーズンの定期はどれも聴き逃せなくなった。

●名古屋フィルハーモニー交響楽団 第349回定期演奏会
 '08.7.5 愛知県芸術劇場コンサートホール 座席:2階L2列30

指揮:ティエリー・フィッシャー
ピアノ:ネルソン・ゲルナー

ホリガー:トーンシェルベン(音の破片)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30
(アンコール)
ラフマニノフ:プレリュード 作品32-5
(休憩)
ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 04, 2008

大橋巨泉の超シロウト的美術鑑賞ノート

47800345


ずいぶん前に読んだ本のレビューを。

あの大橋巨泉が美術鑑賞本を書いたと聞いても、
ピンと来なかった。
昔から彼のことは好きになれない。
あの丸い顔が生理的に受け付けないのだ。
というわけで、読む気はなかったのだが、
図書館の新刊コーナーに並んでいて、
つい手に取ってしまった。
そして2日で一気に読み終えた。

「これはおもしろい!」
読後の正直な感想。
本人が素人と言ってるくらいだから、
まずは説明が分かりやすい。
まったく絵に関心がなかった人でも、
これなら十分に理解できる。

さらに私が苦手としていた、
ルネッサンスやバロックの画家を中心に取り上げている。
後の印象派に比べると鑑賞の機会が少ないと思われる、
この時代の絵の楽しみを教えてくれたのは、一番の収穫。

昨年のロンパリ芸術鑑賞ツアー、
ロンドンのナショナルミュージアムやパリのルーブル美術館で
気になった画家が何人も取り上げられていたため、
とても親近感を持った。

巨泉流の鑑賞方法はとても簡単。

「だまって歩くと絵が呼ぶんです。
呼ばれたら絵の前で2、3分立って、
何も起こらなかったら次の絵へ。
そうしていると、動けなくなっちゃうような作品に出合う。
長いと30分、動かずじっと見る。
どこがすごいんだろうとメモを取る。
わからないことは石坂さんに質問する・・・」

石坂さんとは、俳優の石坂浩二のこと。
芸能界きっての美術通で有名。
巨泉の鑑賞の仕方は、彼の指南によるものだという。
ワタシの場合、絵画鑑賞は
どうしてもガイド本や美術館の音声ガイドに頼ってしまいがちだが、
次回はぜひこの方法を実践してみようと思う。

評価:★★★★★

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« June 2008 | Main | August 2008 »