潜水服は蝶の夢を見る(ジュリアン・シュナーベル監督)
シュナーベル監督の「潜水服は蝶の夢を見る」を見た。
突然の病で全身麻痺となった主人公のジャン・ドー。
唯一機能が残ったのが左目の視力と瞬き。
それを使ってコミュニケーションを取り、
1冊の本を書き上げた。
実話を元にしたヒューマンドラマ。
障がい者を扱った映画は数多くあるが、
これほどユーモアとウィットに富んだ作品は珍しいのでは。
ジャン・ドーの視線は、女性の胸元や足ばかりを追う。
体は不自由でも、考えていることはスケベおやじそのもの。
決して悲劇の主人公にすることなく、
一人の人間、男として描いているところに好感を持った。
幻想的な映像美、それに合わせるように流れる洒落た音楽、
決して救われることのないストーリーを悲劇として感じさせない、
人間讃歌を高らかに歌った見事な作品。
車で息子と芝居を見に行く場面を、
ラストに配した構成も好き。
評価:★★★★☆
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