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April 27, 2008

悪果/黒川博行

31956408


黒川博行の「悪果」を読んだ。

堀内は大阪今里署の暴犯担当。
暴力団・淇道会の一斉捜査・逮捕などの日常業務に励むほか、
ごろつき経済新聞の記者・坂辺と共謀して
シノギ、つまり裏商売で小遣い銭かせぎをしている。
その記者がひき逃げで死亡してから話は急展開。
ヤクザに奪われた警察手帳を取り返すため捜査をしていくうちに
専門学校経営者らの闇の部分が明らかになっていく。

勤務中にヤクザと掛け麻雀をしたり、
クラブでタダ酒を飲んだりする悪徳刑事の堀内、
その堀内から、カネやモノを吸い取るホステス・杏子、
マルチ商法まがいに洗脳されている妻、
スキャンダルを元に企業を強請るブラック新聞記者、
土地ころがしでぬれ手で粟の不動産会社経営者、
登場人物は、どいつもこいつも悪いやつらばかりだ。
しかし皆、人間くささがあって、どこか憎めない。
自分がその立場だったら、同じことをしそうな気にさせる、
これは著者の筆力なのであろう。

しかし大阪府警は、こんなにも腐り切っているのだろうか。
フイクションだと分かっていても、
警察組織をここまでリアルに描かれると、
不祥事が続く大阪府警が舞台なだけに、
すべてが作り話だとは思えないのだが・・・

とにかく痛快な1作だ。

評価:★★★★★

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