主人公は派遣社員の腐野花。
時は2008年、
結婚前夜に婚約者である尾崎美郎と養父淳悟の3人で
会食する場面から物語は始まる。
幸せそうにみえる3人だが、
花と淳悟には肉体関係があり、
しかも殺人事件にかかわっていることがわかる。
以降、6章の物語が順に時間をさかのぼり、
2人の過去が徐々に明らかとなる。
終章を読み終えると、
1章に戻り、読み返したくなる。
そして1章を再読した後に、
語られていない2人の未来について、
想像を膨らませることだろう。
「赤朽葉家の伝説」「青年のための読書クラブ」と
立て続けにこの著者の作品を読んだが、
本作も独特の世界にぐいぐいと引き込まれた。
すごい作家がいるものだ。
次回作も期待せずにはいられない。
ちなみに「一樹」という名前、
男性だと信じて疑わなかったが、
実はかわいい女性だった。
評価★★★★★
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