ダイイング・アイ/東野圭吾
東野圭吾の最新作「ダイイング・アイ」を読んだ。
後で知ったのだが、10年前に「小説宝石」で連載されていた作品が
やっと書籍化されたものらしい。
何者かに襲われて記憶の一部を失った主人公の雨村慎介は、
過去に自分が車で死亡事故を起こしていたことを知らされる。
その暴漢はすぐに自殺するが、
交通事故で死なせてしまった女性の夫であった。
どうして自分は事故を起こすことになったのか、
腑に落ちない彼は事故のことを調べ始める。
なぜか、その事故に触れたがらない周りの人たち。
そして、彼の前に現れるようになった謎の女、瑠璃子・・・
サイコホラーというか、コラーミステリーというか、
著者には珍しいジャンルの作品。
事故死の生々しい描写にはぞくっと来た。
しかし、テンポの良さはいつもどおり、
トリックもちょっと強引ではあるけれど
謎解きの楽しみを十分に味わえた。
生々しい性描写は
「宝石小説」ならではの読者へのサービスだろうか。
評価:★★★★
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