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December 23, 2007

めぐらし屋/堀江敏幸

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堀江敏幸の「めぐらし屋」を読んだ。

主人公は40歳前後の独身OL蕗子さん。
ある日、離婚していた父が亡くなった。
遺品の大学ノートを広げると、
そこには幼いころの懐かしい絵と、
見慣れない「めぐらし屋」の文字が。
忘れかけていた父の記憶が次第に蘇るとともに
徐々に生前の「めぐらし屋」としての父の姿が
浮かび上がってくる。

ほんわかとした蕗子さんの性格と、淡々とした時間の流れ、
そして、著者のデティールの巧みさにより
読者を「堀江ワールド」に導いてくれる。

物語は何も解決しないうちに終わる。
そう、父は教えてくれた、
〝わからないことは、
わからないままにしていておくのがいちばんいい〟

評価:★★★★☆

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