善き人のためのソナタ(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)
第79回アカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した
「善き人のためのソナタ」を見てきた。
社会主義国家である旧東ドイツでの物語。
国家保安省のヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、
職務命令で、劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と
その恋人で女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)を
盗聴により24時間監視することになる。
実直で職務に忠実なヴィースラーであったが、
2人の自由な思想や愛の言葉、そして美しいピアノの旋律を耳にして
今までに知ることのなかった新しい人生に目覚めていく・・・
普通ではない状況下で、
勇気や挫折、絶望と希望が複雑に交差し揺れ動く。
登場人物たちの深層心理の描き方が実に巧み。
そして鮮やかなラストシーン。
詳しくは述べないが、
映画史に残る名場面といえよう。
今年一番の傑作。
評価:★★★★★
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