« 来年の手帳 | Main | めぐらし屋/堀江敏幸 »

December 22, 2007

善き人のためのソナタ(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督)

M_yokihito_ph

第79回アカデミー最優秀外国語映画賞を受賞した
善き人のためのソナタ」を見てきた。

社会主義国家である旧東ドイツでの物語。
国家保安省のヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)は、
職務命令で、劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)と
その恋人で女優のクリスタ(マルティナ・ゲデック)を
盗聴により24時間監視することになる。
実直で職務に忠実なヴィースラーであったが、
2人の自由な思想や愛の言葉、そして美しいピアノの旋律を耳にして
今までに知ることのなかった新しい人生に目覚めていく・・・

普通ではない状況下で、
勇気や挫折、絶望と希望が複雑に交差し揺れ動く。
登場人物たちの深層心理の描き方が実に巧み。
そして鮮やかなラストシーン。
詳しくは述べないが、
映画史に残る名場面といえよう。
今年一番の傑作。

評価:★★★★★

|

« 来年の手帳 | Main | めぐらし屋/堀江敏幸 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 善き人のためのソナタ(フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督):

» mini review 07075「善き人のためのソナタ」★★★★★★★★☆☆ [サーカスな日々]
解説: ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツを舞台に、強固な共産主義体制の中枢を担っていたシュタージの実態を暴き、彼らに翻ろうされた芸術家たちの苦悩を浮き彫りにした話題作。監督フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが歴史学者や目撃者への取材を経て作品を完成。アカデミー賞外国語映画賞ドイツ代表作品としても注目を集めている。恐るべき真実を見つめた歴史ドラマとして、珠玉のヒューマンストーリーとして楽しめる。 [ もっと詳しく ] (シネマトゥデイ) 原題 DAS LEBEN DER AND... [Read More]

Tracked on December 25, 2007 04:09 PM

« 来年の手帳 | Main | めぐらし屋/堀江敏幸 »