木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸
恩田陸の「木洩れ日に泳ぐ魚」を読んだ。
一組の男女による、たった一夜の物語。
別離を決めた高橋千浩と藤本千明は、
住み慣れたアパートの一室で最後の夜を迎える。
そして、二人で出掛けた旅行で「あの男」を殺したのは
今、目の前にいる相手ではないか、
お互いがそう思って腹の中を探り合いながら、
心理的な駆け引きを続けながら、
次第に事実が明らかになっていく・・・
密室での二人芝居に近いサイコサスペンス。
一人称で交互に語り合う構成は生々しく、
ぐいぐい引き込まれていった。
恩田陸の筆力に脱帽の一編。
ラストは賛否が分かれるところか。
ワタシは嫌いではないが。
装丁にもひとこと。
今年一番気に入ったデザイン。
こんなにかわいいイラストを使った表紙なのに
内容は全く違う、そんなギャップが大好き。
で、☆1つプラス。
評価:★★★★☆
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