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September 21, 2007

生還者/保科昌彦

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保科昌彦の「生還者」を読んだ。

人里離れた旅館が台風による土砂崩れに遭い、
宿泊客が生き埋めになった。
多く犠牲者が出たが、4日後に7人が救出される。
うち1人はまもなく死亡するが、
残った6人は奇跡の生還者として注目を浴びる。

次第に事故の前の生活に戻りつつあったが、
半年後に一人、また一人と生還者が謎の死を遂げる。
生還者の一人で、この事故で恋人を亡くした主人公の沢井。
次は自分なのではと追いつめられ、
だんだん精神のバランスを崩していく。

山崩れの生々しい被害体験と、
生還者の死亡事件が続いて起きることで
精神的に追いつめられていき、
主人公と同じように、自分自身が壊れて行くような
疑似体験を味わうことができる。
これぞサイコサスペンス。
でもワタシは好みじゃない。

読後、何気なく本の表紙を見た。
黒一色かと思っていたら、何と人の顔が浮かび上がってきた。
本の内容以上に怖かった。

というわけで、★★★☆

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