東京公園/小路幸也
主人公の志田圭司はカメラマン志望の大学生。
建築を学びながら「家族」をテーマに、
公園でくつろぐ親子の写真を撮っている。
ある日、初島から、妻・百合香と2歳の娘を
尾行しながら撮影してほしいと頼まれる。
圭司は初島から連絡があるたびに、
都内の公園巡りをする百合香親子を追っていく。
ファインダー越しに百合香を見ているうちに
次第に彼女にひかれていく圭司・・・
公園で親子の写真を撮るという行為自体、
違和感を感じてしまう。
赤の他人に撮られるのを良しとするとは思えないんだけど。
設定に無理があると思う。
それでも、圭司の同居人のヒロや幼なじみの富永、
バイト先のマスターの原木など魅力的な人物が揃っていて
さらさらと読めてしまった。
これって、キャロル・リード監督晩年の傑作映画で、
ミア・ファロー主演の「フォロー・ミー」じゃないと思っていたら、
最後のページに「To “Follow Me!”」とあった。
この作家流のオマージュなのだろう。
しかしいい映画だったよなあ、
エンディングで流れた“Follow follow・・・”
主題歌が鮮やかによみがえった。
というわけで、★★★☆
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