走れメロス/森見登美彦
「夜は短し歩けよ乙女」で直木賞候補になった
森見登美彦の新作「走れメロス」を読んだ。
日本の文豪の短篇をベースに、
現代風の短篇に書きかえた連作短編集。
どの作品も舞台は京都で、主に学生たちが主役となる。
最初の作品「山月記」で主役として登場する売れない作家、斎藤秀太郎が
ほかの作品でも狂言回し役として顔を出すところがなかなか愉快。
全体のテイストは、前作の「夜は短し歩けよ乙女」に近い。
ワタシ自身、学生生活を京都で送ったわけではないのに、
なぜか懐かしさを覚える。
学生どものバカバカしい活躍ぶりに
違和感を覚える人も少なくないだろう。
何しろ「メロス」が「桃色ブリーフ」をはくんだから。
しかしあえて、これぞ“森見ワールド”と言ってしまおう。
過去の作品「太陽」「きつね」「四畳半」にも
目を通しておきたくなった。
というわけで、★★★★☆
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