上原彩子 ピアノリサイタル
上原彩子のピアノリサイタルを聴いてきた。
地元でのリサイタルは随分久しぶり。
記憶が確かなら、チャイコフスキーコンクールで優勝してから
初めてなのではないか。
プログラムがすごい。
ベートーヴェン2曲とプロコフィエフ2曲。
しかも前者は後期の作品110、
後者は傑作とされる戦争ソナタの1曲。
挑戦的というか、観客に媚びないというか、
よくぞこれだけ堂々たる曲を並べたもんだ。
前半のベートーヴェン、
これは好みの問題かもしれないけれど、
私は全然だめ。
作品109、111とともに数多くの録音が残されており、
名演も少なくない。
そんな中では余りにも分が悪過ぎる。
彼女の演奏は、テンポのぶれが大きく、
落ち着いてこの名曲を味わう余裕がなかった。
見ていて面白かったことは確かなんだけど・・・
1曲目の作品10-1しかり。
休憩後のプロコフィエフは、
彼女のスタイルにはぴったりだった。
特に戦争ソナタは、
ミスを恐れず鍵盤を叩きまくるといった印象で、
超絶技巧を通り越し、
まるで格闘技を見ているような激しさ。
聴いていて爽快、すかっとする演奏だった。
残念だったのが観客の入り。
1,216席のうち3割は空席だった。
せっかくの地元でのリサイタルなのだから
もっと埋まっていいはずなのに。
名古屋市内で1,600席が完売、
岐阜市に至っては800席が即日完売する上原さん、
PRをもっと外向けにしてもよかったのでは。
●上原彩子 ピアノリサイタル
'079.22 各務原市民会館
ベートーヴェン:ピアノソナタ 第5番 ハ短調 op.10-1
ベートーヴェン・ピアノソナタ 第31番 変イ長調 op.110
(休憩)
プロコフィエフ:「束の間の幻影」
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 op.83
(アンコール)
ラフマニノフ:前奏曲op.32-8
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」より
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