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September 29, 2007

上原彩子 ピアノリサイタル

上原彩子のピアノリサイタルを聴いてきた。
地元でのリサイタルは随分久しぶり。
記憶が確かなら、チャイコフスキーコンクールで優勝してから
初めてなのではないか。

プログラムがすごい。
ベートーヴェン2曲とプロコフィエフ2曲。
しかも前者は後期の作品110、
後者は傑作とされる戦争ソナタの1曲。
挑戦的というか、観客に媚びないというか、
よくぞこれだけ堂々たる曲を並べたもんだ。

前半のベートーヴェン、
これは好みの問題かもしれないけれど、
私は全然だめ。
作品109、111とともに数多くの録音が残されており、
名演も少なくない。
そんな中では余りにも分が悪過ぎる。
彼女の演奏は、テンポのぶれが大きく、
落ち着いてこの名曲を味わう余裕がなかった。
見ていて面白かったことは確かなんだけど・・・
1曲目の作品10-1しかり。

休憩後のプロコフィエフは、
彼女のスタイルにはぴったりだった。
特に戦争ソナタは、
ミスを恐れず鍵盤を叩きまくるといった印象で、
超絶技巧を通り越し、
まるで格闘技を見ているような激しさ。
聴いていて爽快、すかっとする演奏だった。

残念だったのが観客の入り。
1,216席のうち3割は空席だった。
せっかくの地元でのリサイタルなのだから
もっと埋まっていいはずなのに。
名古屋市内で1,600席が完売、
岐阜市に至っては800席が即日完売する上原さん、
PRをもっと外向けにしてもよかったのでは。

●上原彩子 ピアノリサイタル
 '079.22 各務原市民会館

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第5番 ハ短調 op.10-1
ベートーヴェン・ピアノソナタ 第31番 変イ長調 op.110
(休憩)
プロコフィエフ:「束の間の幻影」
プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第7番 変ロ長調 op.83
(アンコール)
ラフマニノフ:前奏曲op.32-8
プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」より

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September 28, 2007

浅草色つき不良少年団/祐光正

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祐光(すけみつ)正の「浅草色つき不良少年団」を読んだ。
第44回オール讀物推理小説新人賞受賞作。

大正末期から戦前の昭和、
大歓楽街であった浅草を舞台に、
不良少年団「浅草黄色団」に起こった出来事を描く連作短編集。

当時浅草には3つの不良少年団があった。
女装の麗人「冬瓜の百合子」率いる「紅色団」、
相当な悪の集まり「黒色団」、
そして似顔絵ジョージ率いる「黄色団」。
関東大震災や東京大空襲で街の姿が大きく変わる時代に
彼らはたくましく生きていた。
そして巻き込まれる数々の事件。
密室殺人事件、幽霊騒動、
あるいは瓶詰めにされた少女が消えてしまうというような、
まるで少年探偵団や明智小五郎が出てきそうな事件の
謎解きがされていく。

作品全体をノスタルジックな香りが包む。
トリックは大したことないが、
雰囲気に酔いながら一気に読み終えた。

書き手であり、漫画家の私が、
昭和の終わりに知り合った黄色団の頭目「似顔絵ジョージ」こと神名火譲二氏から、
昔話を聞き出すという構成も、本当にうまい。
続編もきっと出てきそう。

評価 ★★★★☆

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September 26, 2007

和幸 ゴールデン・ヒッツ・コンサート

和幸の初来日公演「ゴールデン・ヒッツ・コンサート」を
愛知県芸術劇場で聴いてきた。

和幸(かずこう)とは、
Paul Kazukohこと坂崎幸之助と、
John Kazukohこと加藤和彦の二人によるユニット。
つい先日、ファーストアルバムが発売になったばかり。

「初来日」というのは、もちろんジョーク。
終始この調子でおふざけをしているのだが、
オリジナル曲や演奏は超一流、
クオリティの高い、客を選ぶライブとなった。

オリジナルはすべて60〜70年代のヒットメーカー、
バート・バカラック、あるいはポール・サイモンらが
影響を受けた曲、という設定で作られている。
回りくどい言い方だが、要は天才コンポーザーたちへの
オマージュと考えていい。
それっぽい、曲ばかりがずらりと並んだ。

さらには、フォーク・クルセイダーズや
加藤和彦の名曲の数々を、
フォルクローレ、ボサノバ、あるいはハワイアンなど、
ワールドミュージックのスパイスを振りかけ蘇らせた。

マニアックだったのは使用したギター。
何本出てきただろうか。
二人の自慢のコレクションの品評会となり、
その手のファンを喜ばせた。

ただひとつ、他会場で披露した「悲しくてやりきれない」が
この日は聴けなかったのが残念だった。

●和幸 初来日公演 ゴールデン ヒッツ コンサート
 '07.9.17 愛知県芸術劇場大ホール

1. バラバラふたり
2. 花のかおりに
3. Sensored Mail
4. Her Hometown
5. 青い色の瞳(チャランゴ演奏)
6. 鎮静剤
7. 不思議な日
8. 戦争は知らない
9. 生命(いのち)
10. 家をつくるなら
11. 黄昏のビギン
12. 帰ってきたヨッパライ
13. あの素晴らしい愛をもう一度
14. イムジン川(フランス語Ver.)
15.サタデイナイト ムービー
16.アーサー博士の人力ヒコーキ
17.ナニモナイ
18.モノリス
(アンコール)
プロモーション・ビデオ バラバラふたり
19.無貪
20.見上げてごらん夜の星を
21.みんなの地球
(アンコール2)
22.イムジン河(日本語Ver.)
23.平和について

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September 25, 2007

木洩れ日に泳ぐ魚/恩田陸

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恩田陸の「木洩れ日に泳ぐ魚」を読んだ。

一組の男女による、たった一夜の物語。
別離を決めた高橋千浩と藤本千明は、
住み慣れたアパートの一室で最後の夜を迎える。
そして、二人で出掛けた旅行で「あの男」を殺したのは
今、目の前にいる相手ではないか、
お互いがそう思って腹の中を探り合いながら、
心理的な駆け引きを続けながら、
次第に事実が明らかになっていく・・・

密室での二人芝居に近いサイコサスペンス。
一人称で交互に語り合う構成は生々しく、
ぐいぐい引き込まれていった。
恩田陸の筆力に脱帽の一編。

ラストは賛否が分かれるところか。
ワタシは嫌いではないが。

装丁にもひとこと。
今年一番気に入ったデザイン。
こんなにかわいいイラストを使った表紙なのに
内容は全く違う、そんなギャップが大好き。
で、☆1つプラス。

評価:★★★★☆

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September 23, 2007

iPod touchが届いた!

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ちわっ、宅急便です!と、
朝早くから、クロネコヤマトのお兄さんの声。
印鑑を持って玄関に行ったら、
届いたのは何と“iPod touch”。
予定より1週間も早いご到着。

昨日から風邪で寝込んでいたのだが、
一気に熱が下がり、今はあれこれ設定の最中。
後で詳しいご報告を。

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September 22, 2007

行きずりの街/志水辰夫

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旅先で、志水辰夫の「行きずりの街」を読んだ。
持って本を早々に読み終えたため、
駅ビルの書店に飛び込み購入した1冊。
決め手は、帯に書かれた
「1991年度『このミステリーがすごい!』第1位」と、
「’90年日本冒険小説協会大賞受賞作」。

女生徒との交際がスキャンダルとなり、
都内の名門女子高を追放された元教師の波多野が主人公。
その後、田舎で塾講師をしていたが、
失踪した教え子を探すため上京してきた。
そこで、この事件に自分を追放した学校が関係しているという、
意外な事実を知った。
そして、元妻との再会。
次第に明らかになってくる真実、
波多野は巨大な黒幕との戦いを挑む・・・

一人の生徒のためにここまでやるの、っていうのが第一印象。
1991年の作品というのを差し引いても、
設定に無理がある。
文体は魅力的だが、感情移入できないのは、
こちらが歳をとったせいかもしれない。

しかしこの文庫本、売れているという。
帯のコピーの勝利か。

評価:★★

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September 21, 2007

生還者/保科昌彦

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保科昌彦の「生還者」を読んだ。

人里離れた旅館が台風による土砂崩れに遭い、
宿泊客が生き埋めになった。
多く犠牲者が出たが、4日後に7人が救出される。
うち1人はまもなく死亡するが、
残った6人は奇跡の生還者として注目を浴びる。

次第に事故の前の生活に戻りつつあったが、
半年後に一人、また一人と生還者が謎の死を遂げる。
生還者の一人で、この事故で恋人を亡くした主人公の沢井。
次は自分なのではと追いつめられ、
だんだん精神のバランスを崩していく。

山崩れの生々しい被害体験と、
生還者の死亡事件が続いて起きることで
精神的に追いつめられていき、
主人公と同じように、自分自身が壊れて行くような
疑似体験を味わうことができる。
これぞサイコサスペンス。
でもワタシは好みじゃない。

読後、何気なく本の表紙を見た。
黒一色かと思っていたら、何と人の顔が浮かび上がってきた。
本の内容以上に怖かった。

というわけで、★★★☆

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September 18, 2007

東京公園/小路幸也

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小路幸也の「東京公園」を読んだ。

主人公の志田圭司はカメラマン志望の大学生。
建築を学びながら「家族」をテーマに、
公園でくつろぐ親子の写真を撮っている。
ある日、初島から、妻・百合香と2歳の娘を
尾行しながら撮影してほしいと頼まれる。

圭司は初島から連絡があるたびに、
都内の公園巡りをする百合香親子を追っていく。
ファインダー越しに百合香を見ているうちに
次第に彼女にひかれていく圭司・・・

公園で親子の写真を撮るという行為自体、
違和感を感じてしまう。
赤の他人に撮られるのを良しとするとは思えないんだけど。
設定に無理があると思う。
それでも、圭司の同居人のヒロや幼なじみの富永、
バイト先のマスターの原木など魅力的な人物が揃っていて
さらさらと読めてしまった。

これって、キャロル・リード監督晩年の傑作映画で、
ミア・ファロー主演の「フォロー・ミー」じゃないと思っていたら、
最後のページに「To “Follow Me!”」とあった。
この作家流のオマージュなのだろう。
しかしいい映画だったよなあ、
エンディングで流れた“Follow follow・・・”
主題歌が鮮やかによみがえった。

というわけで、★★★☆

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September 17, 2007

岸和田だんじり祭

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9月15日、岸和田だんじり祭の一日目、宵宮を見てきた。

この祭りは、大阪府岸和田市で毎年秋に行われている。
だんじりとは、いわゆる山車のこと。
22台のだんじりにそれぞれ500人余りの曳き手が付き、
町内を曳き回す祭りで、
道路の角を曲がる「やりまわし」が一番の見どころ。
勢い良く走りながら直角に曲がるため危険も伴う。

この日は、地元の友人に連れられ、半日掛けて町内を歩いた。
彼は若いころ祭りに参加していただけあって、
どこの曲がり角が面白いのか良く知っている。
的確な解説を聞きながらの祭り見学は、
理解が深まりとても楽しかった。

狭い道路から広い道路に曲がるのは簡単だが、
その逆は難しいこと(写真上から4〜6枚目)、
クランクになったS字の場所は止まらずに走り過ぎるので
見ごたえがあることなど、
この目で見て確かめ、祭りの醍醐味を味わった。

夜は、近くの犬鳴山温泉につかりながら、
全国から集まった6人が、1年ぶりに親交を深めた。
幹事のNさんに感謝、感謝。

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September 14, 2007

パブリックアート

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また小ネタを。

セグウェイの試乗会場近くで見つけたパブリックアート。
まるでロボットか映画に出てくるキャラクターのような作品
タイトルは「ピコ」(写真上)。
もう1作品は「生きる道のロゴス2」(写真下)、
どちらも多摩美の学生の作品らしい。
意味不明・・・

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September 13, 2007

セグウェイ(Segway)

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セグウェイに乗った。

構造は実にシンプル。
台に2つのタイヤが取り付けてあり、
台から上部にハンドルとなるポールが伸びている。
乗り方は、台の上に立ち、ハンドルを握る。
そして体重移動によって速度調整、方向転換を行う。
アクセルもブレーキもないのが、何とも不思議だ。

乗ってみた感想。
反応が敏感すぎるため、最初は戸惑った。
でもインストラクターに5分ほど指導を受けると
たちまち体に馴染んできた。
乗り物というより、体の一部という感じ。
物欲がまためらめらと。
ただし1台約100万円はちょっと高い。
それに使い道が見つからない。
というのも、日本では道交法によって
公道を走ることが許されてないから。
セグウェイが必要なくらい広い敷地に住んでいる人なら
ぜひ購入をおすすめする。

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September 10, 2007

富士宮のポスター

小ネタを。
少し前だが6月に、静岡県富士宮市へ行った。
最近、「富士宮やきそば」で名前を売った都市だ。
市内でおもしろいポスターをいくつか見つけた。

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まずはニジマスのさつま揚げで、
その名も「鱒 THE 鱒」。
富士山の前で、着ぐるみを着ながら
マスを振り回しているイラストもいい感じ。

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次に、高級豚肉の「ルイビ豚」。
正確には「LYB豚」らしい。
まあどうでもいいことだが・・・

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さらには、ニジマスが挟まったハンバーガーで
「マスバーガー」。
これって、ポスターのデザインもぱくり!?

というわけでいろいろ笑わせてもらった富士宮出張だった。

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September 08, 2007

カレー祭り 花火大会

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カレー祭りで、カレーの無料ふるまいがあるというので
昼過ぎに出掛けるつもりだった。
ところが車に乗ろうとした瞬間、
雨は降るは、風は吹くはで、嵐のような天候に。
あきらめて昼寝をした。

夕方になって雨は上がり、
夜の花火大会だけ見てきた。
何がすごいかって、
この花火は公園から打ち上げるのである。
市の真ん中にある「学びの森」は、
ロンドンでいえばハイドパーク、
NYでいえばセントラルパークのような公園(ちょっと大げさ)。
その全体を立ち入り禁止区域にして
周辺を大勢の観客が取り囲んでいた。
時間は30分程度、規模も大きくなかったが、
音楽に合わせて打ち上げられ、
種類も多かったので飽きなかった。
やはり間近で見る花火は楽しい。

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September 07, 2007

iPod touch

やっぱり買ってしまった“iPod touch”。
今使っているiPodは、もう4年前のもの。
そろそろ買い換え、と思っていたところ
昨日発表されたのが、
マルチタッチインタフェースで全面液晶の“iPod touch”。
即日、Apple storeで予約した。
届くのは10月早々かな。

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September 06, 2007

走れメロス/森見登美彦

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夜は短し歩けよ乙女」で直木賞候補になった
森見登美彦の新作「走れメロス」を読んだ。

日本の文豪の短篇をベースに、
現代風の短篇に書きかえた連作短編集。
どの作品も舞台は京都で、主に学生たちが主役となる。
最初の作品「山月記」で主役として登場する売れない作家、斎藤秀太郎が
ほかの作品でも狂言回し役として顔を出すところがなかなか愉快。

全体のテイストは、前作の「夜は短し歩けよ乙女」に近い。
ワタシ自身、学生生活を京都で送ったわけではないのに、
なぜか懐かしさを覚える。
学生どものバカバカしい活躍ぶりに
違和感を覚える人も少なくないだろう。
何しろ「メロス」が「桃色ブリーフ」をはくんだから。
しかしあえて、これぞ“森見ワールド”と言ってしまおう。
過去の作品「太陽」「きつね」「四畳半」にも
目を通しておきたくなった。

というわけで、★★★★☆

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September 05, 2007

悪人/吉田修一

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吉田修一の 「悪人」 を読んだ。

福岡県と佐賀県の県境にある三瀬(みつせ)峠で、
石橋佳乃という若い女性が殺された。
犯人は長崎市郊外に住む土木作業員の清水祐一。
出会い系サイトで知り合い、殺害に至ったこの事件は、
感情の行き違いから生じた偶発的なものであった。

警察に追われるようになった祐一は、
これまた出会い系で知り合い付き合い出したばかりの
紳士服の量販店で働く馬込光代と逃避行を始める。
逃げ切れなくなり、車を捨てた2人は山中に隠れたのだが、
最後には祐一が逮捕されることになる・・・

ストーリーとしては単純だが、
これに大学生の二人や、被害者佳乃の職場の友達、
祐一の家族などが複雑に絡み合い、
リアリティのある群像劇となっている。

さてタイトルであるが、
この小説に特別の「悪人」は出て来ない。
どこにでもいそうな人物ばかりだ。
特に後半、逃避行する祐一と光代は、
こんな事件に巻き込まれなければ、
平々凡々な生活を送っていたのではないかと思う。
悪人とまでは言わないが、
「悪いやつ」がいるとすれば、被害者の佳乃や、
当初加害者と思われたノー天気な大学生の方が
それに近いのではないか。
ふとしたことから、だれもが悪人になりうる、
小説を読みながら、そんな危うさを感じた。

もうひとつ「愛」について。
逃避行を続ける二人、
出会う前は、将来への希望もなければ現在の充実感もない
さみしい毎日を送っていた。
そんな日常よりも、たとえ殺人を犯した後の逃避行であっても、
毎日が光り輝いていた。

警察に保護された光代が、交番から逃げ出し、
祐一の待っている山頂の灯台まで
いばらをかき分けながら必死になって戻ろうとする場面には
涙する読者も少なくないはず。
ところがこの二人の愛は、
逃亡という非日常的な状況だからこそ
成立したものではなかったろうか。
日常生活の中だけでは、
ここまで愛する心は育ち得なかったのでは。

つい饒舌になってしまった。
感想をうまくまとめ切れなかったが、
ちょっとやそっとじゃ語り尽くせない話題の本、
とにかくお薦めの1冊だ。

というわけで、★★★★★

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September 03, 2007

オーシャンズ13(スティーブン・ソダーバーグ監督)

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映画の日に「オーシャンズ13」を見てきた。

オーシャン(ジョージ・クルーニー)率いる“犯罪ドリームチーム”が、
友情と復讐のために強盗計画を実行していく。
相手は世界的なホテル王ウィリー・バンク(アル・パチーノ)。
ラスヴェガスに建設するカジノ付きのホテルで
バンクのすべてを奪うための計画が進められていく・・・

豪華メンバーによる犯罪エンターテイメントといったところか。
残念ながらワタシの心にはまったく響かなかった。

というわけで、★星一つ

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September 02, 2007

敦賀まつり

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福井県敦賀市の「敦賀まつり」に出掛けた。
この祭りは気比神宮の例大祭で、
毎年9月2日に宵宮祭、3日神幸祭、4日例大祭、
そして5日から10日までが後祭、
15日の月次祭をもって終わるので、
気比の長祭として有名。

6基あるという山車のひとつを見ることができた。
歩行者天国となった道路の中央を練り歩き
途中で止まると、山車の上で子どもたちの踊りが披露される。
大規模でなかなか勇壮な山車であった。

しかし、露天商の多さには驚いた。
街の中心部の歩道という歩道にずらりと並んでいる。
スロットマシンや“ういろう”、
いかにも怪しげなカバン売りなど、
私の近くでは見られないような店も少なくない。

バーテンダー協会のブースというのもユニーク。
蝶ネクタイをした本物のバーテンダーが
街角でカクテルや生ジュースを振るまっていた。

ステージでは、姉妹都市のロシア連邦ナホトカ市から
来日したミスの2人が、
なかなか見事な歌とスタイルを披露していた。

もちろん気比神宮も参拝してきた。
お祭りだからか、行列が出来るほど混んでいた。

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September 01, 2007

オペラ「スペードの女王」/サイトウ・キネン・フェスティバル松本

サイトウ・キネン・フェスで、本格的なオペラを上演するのは、
2004年の「ヴォツェック」以来となる。
このときは、現在も公演で使用している会場
まつもと市民芸術館」のこけら落としで、
ペーター・ムスバッハの演出に、
安藤忠雄のペットボトルを使った装置デザインという、衝撃的な公演で
観客の度肝を抜いた問題作であった。

それに比べると今年は、
ニューヨークのメトロポリタン歌劇場が所有する舞台装置を使用した、
オーソドックスなプロダクション。
結論から言うと、大変レヴェルの高い、
サイトウ・キネン・フェスの中でも
上位にランクされる公演であったように思う。

何よりも、歌手が粒ぞろいであったこと。
特に、ゲルマン役のウラディーミル・ガルージン、
声といい演技といい、はまり役。
プログラムによると、ゲルマンは彼の最も得意とする役柄らしい。
さらに、ヒロインのリーザ役、オルガ・グリャーコワの華麗なこと。
恋に生きる情熱的な女性として申し分なし。
難しい役柄の伯爵夫人を演じ切ったラリサ・ディアートコワと、
出番は少ないが重要な役であるエレツキー公爵のスコット・ヘンドリックスも
主役2人に劣らない充実ぶりであった。

演出はいたってオーソドックスと書いたが、
奥行きがあり、照明も巧みで、
とても品のある舞台に仕上がっていた。

演奏のサイトウ・キネン・オケ、
特に金管が大活躍。
会場内は空調が切ってあったせいもあって、
オケのメンバーもタオルで汗を拭きながらの熱演であった。

「スペードの女王」は児童合唱団やバレエ団も必要、
上演時間も正味3時間を超えるため、
滅多に見ることのできないグランドオペラ。
それを高いレヴェルで、しかもこの入場料金で見せてもらえたことに
心から感謝したい。

ただ一点、終演後のフラッシュの嵐は何とかならないものだろうか。
かたく禁じられているはずであり、
そこそこのクラシックファンばかりのはずなのに
この状況は目を覆うばかり。
本当に恥ずかしい。
主催者側で何とか対策を講じてほしい。

●オペラ「スペードの女王」/サイトウ・キネン・フェスティバル松本
 '07.8.28 まつもと市民芸術館 主ホール

ゲルマン:ウラディーミル・ガルージン
リーザ:オルガ・グリャーコワ
伯爵夫人:ラリサ・ディアートコワ
エレツキー公爵:スコット・ヘンドリックス
トムスキー伯爵/プルータス:マーク・デラヴァン
チェカリンスキー:ジョン・ダスザック
ポリーナ/ダフニス:スザナ・ポレツキー
家庭教師:イリーナ・チスチャコーワ
スーリン:小野和彦
マーシャ:黒木真弓
チャプリツキー/儀典長:大槻孝志
クロエ:安藤赴美子
ナルーモフ:成田眞

合唱:東京オペラシンガーズ
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ
指揮:小澤征爾
演出:デイヴィッド・ニース
装置・衣裳:マーク・トンプソン
照明:高沢立生
振付:マーカス・バグラー
(メトロポリタン歌劇場所有プロダクションを使用)

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