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June 22, 2007

ブラバン/津原泰水

Blass


津原泰水の「ブラバン」を読んだ。

場末の飲み屋を経営する他片が主人公。
30半ばを過ぎ、経営する店は赤字続き、
まったく冴えない人生が続いている。
他片は高校時代、吹奏楽部でコントラバスを弾きながら、
軽音楽部にも所属しバンドを組んでいたくらいの音楽好きであった。
ある日、彼の元に、あこがれの先輩で
トランペットを吹いていた桜井の結婚話が届いた。
そして彼女の披露宴での演奏を頼まれ、
高校時代のブラバンの再結成を画策する・・・

現在と、高校時代の回想が交錯しながら物語は進む。
とにかく登場人物が多くて、
巻頭の名簿と照らし合わせながら読んでいった。
一人一人の人物描写が浅くて、
印象に残る人物はわずか。

しかし、吹奏楽だけでなく
音楽全般に対する著者の知識と愛情は、
並々ならぬものがある。
40代の音楽好きには、読んでいる間じゅう、
わくわくしっ放しの、たまらない作品。
映画映画化したら、きっと楽しいだろうな。

というわけで、★★★★☆

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